感情と思考にまつわる話
生きている以上、人間はさまざまな感情と思考を持つ。怒りや悲しみなどの所謂マイナスな感情、楽しみや幸せなどの所謂プラスな感情、どちらにも分類できない感情、そしてそれらの連続でできる思考。
人間はこれらに支配されがちであるが、実はこれらには食品と同じように「賞味期限」が存在する。
時間を置けばカビが生えてしまうのとおんなじように、感情や思考も曇っていく。いずれは氷が溶けるように、花が朽ちるように、それがあった形跡すらなくなってしまう。
あらゆる成長するもの、大きくなるものには老いがあり、小さくなり最終的にはなくなる。スピードが違うだけで、万物には始まりがあり終わりがある。
だからこそ形にならないものは文にして模って、できるだけその姿形を味わいたい、共有したい、と思う。
雪の中に葬って、永遠にそのままこの感情ごと冷凍保存できたらいいのにな、と叶わない抽象的な願望を呟く、年の暮れ。