カステラテ(デ)スカ
カステラが好きだ。
小さいころはそこまでだったけれど、気が付いたら大好きになっていた。
きっかけがないかというとそうでもなく、多分トリガーになっている出来事はいくつかある。
ひとつは誕生日に母がカステラのスコップケーキを作ってくれたこと。
ガラスの四角い型にカステラの切れ端を敷き詰めて、
フルーツ缶の汁を流し入れた後に生クリームを重ね、
最後にフルーツで飾り付ける。
多分こんな感じだったと思うが、カステラのこんなにおいしい食べ方があるのかとうれしくて、ときどきすごく食べたくなる。
もうひとつは私の大好きな漫画家が、好きな食べものはカステラと鰻だと言っていたこと。
どちらも私の選択肢にはなかったが、その人が話しているのを読むと小洒落ているんだろうとか思ってしまう。
カステラといえば少し前に台湾カステラが流行った。
タピオカに似た雰囲気を感じるため少し言いにくいが、かなり好きである。
(というかタピオカもそこそこ好きである。)
台湾カステラのリールもしょっちゅう流れてくるので見てしまう。
しゅわっと焼きあがったものを半分に割ったり、肉球の焼き印を整然と押していくのを見るのは気持ちがよい。
最近、味には「冷たい」という表現もあるような気がしていて、
カステラ、特に台湾カステラは冷たいと思う。
あとはバターも温度に関わらず冷たい気がするけれど、他にも思いついたらまた書いておくことにする。
そんなわけでカステラのことが好きなのだが、許せないやつもいる。
鈴カステラとベビーカステラだ。
二者は似て非なるものらしいがひとまずその話は置いておく。
鈴&ベビー自体が嫌いとかいうわけではない。
ただ、正直カステラと呼んでいいものか疑問である。
前述したようなしゅわっと感や冷たさを感じないぼそぼそした食感。
生地の材料が同じというだけでカステラを名乗る資格はあるのだろうか。
調べてみると人形焼きもどら焼きもカステラの生地らしい。
もうカステラとは何なのかよくわからなくなってしまった。
でもきっと彼女の好きなカステラは私の好きなカステラと同じだと思う。