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コロナと戦争と日本人
自分含めてコロナに対して実感わかない人を見ると、最近戦争の資料読んでるせいで、日本人ってこんな感じで大日本帝国が負けるわけー!って思ってたんだろなーって気がしてしまう。
— えも🧸次回作「箱庭」頑張って執筆中 (@candy_rain_emo) March 30, 2020
防火訓練とかしてたのに、最初の空襲の時練習だと思ってアメリカの戦闘機に手を振ってる人もいたんだって。
お昼にツイッターに書いた話。
今朝のニュースで志村けんさんが亡くなったという訃報を聞いて、その衝撃の大きさから色々と考えていました。
やっぱり今までのような具体性のない誰かの死と、この「知っている人」の死は全然違います。人間どんなことでも具体性が出ると現実味を感じるんです。それに対して煽ったり批判している人もいるけれど、人間とはそういうものじゃないでしょうか。
わたしは東京の割と都心のとある街で暮らしています。ここでは今も、毎日通勤電車には人が溢れ、街へ出ればマスクをしていない人たちがうろうろ歩いていて、正直それほど実感が湧かずに暮らしていました。
先々週はずっとリモートだった上に、オフィスに出社するときは歩いて、電車に乗らないようにしていたのと、心が落ちるからコロナのニュースをあまり見ないようにしていたのも理由かもしれません。日常的にしているうがい手洗いはもちろん継続していたし、人が多いところではマスクをして、見つけたら手の消毒はしていたくらいで、備蓄もしていないし、普段から家に籠りがちなので、週末は通常運転という感じでした。
おそらくそういう人は多いんじゃないかと思います。わたしが特別希薄なわけでもなく、人は目に見えない敵と戦う時、ついつい楽観的になってしまうものなのでしょう。
そうしてタイトルの話になります。
戦争。
今わたしは、知っている人は誰もがいつ書き終わるんだよとツッコミを入れいているであろう小説「箱庭」を絶賛執筆中なのですが、本作は戦争を題材にしているため、ここ2〜3年くらいずっと戦争の小説やら資料やらを読み漁っているわたしは、この1ヶ月超続くコロナ問題を眺めながら、あぁきっと戦争に突入する時も日本はこんな風に楽観的で、現実味がなくて、政府は都合の悪いものを隠していたんだろうな、と考えていたわけです。
さぁ戦争が始まるぞという時も、当然ながら対米戦を懸念する声はありました。要するにあんな大国に勝てるわけないだろ、現実見ろよ! という意見はあったんです。
例えば桐生悠々さんという信濃毎日新聞の方が「関東防空大演習を嗤ふ」という社説を書きました。青空文庫のリンクを貼ったのでよかったらご覧ください。めちゃくちゃ乱暴に要約すると、東京でやった防空大演習なに? ウケんだけどwwアメリカが東京の上空に攻めてきたら即刻火の海だ。お前らがやってる防空演習なんて意味ねーんだよwwというような内容です。(本当に乱暴)
現実をしっかり見つめ危機感を持った人が、その意見をメディアに載せることは確かにあった。でもこの桐生悠々さんも社内で冷ややかな目で見られたり、不買運動の末退社を余儀なくされるなど、圧倒的にマイノリティでした。正しいことを言っているのに、何言ってんのこのおじさん……と思われていたのです。
過ぎてしまえば、危機感を持っていた方が正しいとわかるのに、渦中にいると楽観的な方がマジョリティになる。それはもしかしたら日本人の国民性、いや人間なんてそんなもんなのかもしれません。
心のどこかで対岸の火事だったコロナも、じりじりと日本を丸呑みにしようとしています。外国では街ごとロックダウン。不急不要の労働は中止という話も出てきています。
日本は保障がないのでそういうことは難しそう、ですかね? とりあえず和牛の商品券はまじでいらないです。あまりにも頓珍漢すぎて、全国民が聞いた時フェイクニュースかと思ったこと間違いなし。
そんな冗談はさておき、実感できてなくても、実感しなくちゃ。それが自分や周りの人たちの命を救うことになるんですからね。
同じ過ちを犯さないように……。
最後に、志村けんさん。
わたしにとっては志村どうぶつ園の園長のイメージが強いです。やさしくて面白い志村園長。その命をもって教えてくれたことを噛み締めて、未来へ向かいます。ありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
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