【ネタバレ】Switch版Cresteajuを語りたい ツーリア〜記憶の中

Switchクレスのざっくりした感想(ツーリア〜記憶の中まで)です。
ネタバレあり、箇条書きです。
※PC版はプレイ済みなので、PC版のストーリーを全て知った上で改めて感じたこと、考察したことです。Switchでの追加要素は初見です。

◆ツーリア

・到着時、誰も知り得ない情報を知っているユミに、サヴィアーが理由を尋ねる。ユミははぐらかして去るが、そうかこれも伏線だったか……情報源が本でも記録でもないなら、一つだけ。ユミはこの後も何か匂わせては隠し続ける。
・ガゼールと再会。話しかける時、後ろ姿だけでは父だとわからなかった。グラフィック上の見た目は変わらないが、きっと髪が伸びたり、体が痩せたり、汚れてたりしてわからなかったのか。
ディザが反乱を起こせないか提案する。建国宣言前「無茶が必要な時もある、だが今じゃない」と言ってたが、裏を返せば無茶できるタイミングをずっと伺ってたのかも。
奴隷領域に戻ろうとする父をルナンは呼び止め、「私はセノウで生まれたのよね……」、無理。もう泣く。しんどい。「……何があろうと、お前は私の娘だ。それがお前の望んだことなのだ……」父はそう答えるしかなかった。娘が失くしたものの中身を父は知っている。「お前が望んだ」の意味は伝わらないと思うが、でもそう答えるしかなかった。
その後の作戦会議中も、ルナンはずっと上の空。もう心の中はぐちゃぐちゃだと思う……でも父と町のみんなを助けるため、切り替えて進む。本当に苦しそう……

・ツーリア地下、防衛システム破壊。が、罠にハマり捕らえられてしまう。
黒幕はシンディ。ではなく、シンディを父で釣ったフォールン……でもなく、フォールンにルナンを捕らえる命令を出したクレイシヴ??
しかしシンディとフォールンは一体いつどこで繋がってたのか……ツーリアに来てから行動は一緒だったから、クレスフィールドで再会した時に「準備があるから」と席を外したあのあたりが怪しい……。
フォールンと去る時、彼女の足が一瞬止まったので、きっと罪悪感はあるんだろう。「これで会えるのよね?」というより気持ち的には「ここまでしてやったんだから絶対会わせてね?」って感じなんかな。
牢屋でサヴィアーは「彼女にも事情があった」と言う。サヴィアー編でその“事情”が描かれていたから、PC版よりも強い文脈が乗ったセリフになっていてすごい。シンディはひどいことをしたのに、それでも彼女を責めきれないサヴィアー。切ない。

・フォールンが精神体を持ってきて対話。取り憑かれたらどうなるかの話でクレスフィールド高地での出来事を思い出す。ここで伏線が回収。
夢、故郷、精神体との接触。色々な条件が揃っていて、もはやこれで自分が生命兵器でないほうが不自然。
ルナンはついに受け入れる。「いいわ、結果なんてもうわかってるんだから……」文面で見ると何か諦めたような虚しさがある。でもそれは真実を拒否したり思い悩んだりするのをやめた、ということでもある。
彼女は精神体の前へ出ようとする。もう触れても死なない確信があるから。ディザは止めるが、「ディザだって知ってるでしょ」と言うと、沈黙。
ここは切なかったな……やはり彼もわかってたんだ、決して言葉にはしなかったが。ただ彼はルナンが生命兵器ってことを受け入れたくないのではなく、クレイシヴの言葉を信じるのが嫌だっただけ……だと思うけど。
物事には例外がある、とフォローしてくれるサヴィアーも最高だよありがとう。
そして「今のわたしなら大丈夫」と。嗚呼……ルナンがここで堂々とそう言ってくれたことがとても救いになります。ありがとう。彼女はある意味スッキリしたんじゃないかな。ここまで来たら、あとはその目で確かめるだけ。
・それはそうと、「“貴重”な精神体」という言葉にサヴィアーだけが反応していた。自分はかつてまでのプレイでここの伏線に気づけず、他の方の考察を見て理解した。そう、人の精神体……奴ら、とんでもないことしやがる……。

・脱出劇。眼鏡のフレームで牢の扉を開けるサヴィアー様様。それとメニュー画面も脱出劇! アツすぎ! ナックちょっと余裕そうw
そして、ルナンたちはBreak a fortuneしに出る……この展開大好き……音楽も大好き……
離別の時に「ルナン、絶対にオーブを手に入れろ」。本当に最高の仲間。ディザはもちろん、サヴィアーがこういうこと言ってくれるの熱い。ルナンが旅で最初に出会ったの実はサヴィアーだし。この二人の絡みもっと見たい。
みんなが逃げる手伝いをしてくれたユミにもほんと感謝。グラウンドシップに一人残ったのもその準備のためか。

◆ジーダイ

・翌日、ナックと合流。みんなを助けたい気持ちと、オーブを手に入れたい気持ちとで揺れる。「ジーダイへ行くわ」「……」「ごめんね、冷たいわよね」「冷たくなんかないよ」あああ、辛い……ほんとやめて。泣くわ。
二人はみんなの言葉を信じてジーダイへ。メニュー画面の二人が不安そう。ボイスもない。寂しいし心細いよね……
洞窟でエターナル一人に阻まれた時も、戦力的には全然余裕だけど、頼ってた人がいないってだけで弱気になる。いなくなってわかるありがたみ。
……というタイミングでライゼルおじさんがやって来る。ヒーローすぎて好き。一気に場が明るくなる。戦闘中にライゼルの声が入るだけで気分転換になる。前から思ってたけどダメージ受けた時の「ん゛」「ゥー」「オォ?」全部おもろい。0ダメージの時とか子供がぶつかってきたみたいな声だすのw

・記憶の遺跡エターナル戦。
エド「わしらがエターナルを出ていったところで、今更何をする?」、ラーフィア何も答えられず。
彼らにはエターナルしかないのがわかる。しかしアズグレイのいないエターナルに価値を感じない。クレイシヴとしても二人が命令に従おうと従うまいと、どうでもいいんだろうけど。
戦闘中、ディザとエド、ルナンとラーフィアの声あり会話がめっちゃ良かった。特に後者……命が吹き込まれて初めてわかるニュアンス。ルナンは自分の気持ちをぶつけるのではなく、問いかけるというか、相手に少し寄り添おうとしているのがわかった。
故郷を失い、唯一残った者同士。それでルナンにとってセノウは、人生の半分以上を過ごした生まれ故郷だとずっと信じていたから、ある意味、思いを馳せていたかも知れない。そこの真の生存者であり復興を願うラーフィアとは、確かに争いたくはないよな……。
しかしエターナルだけが居場所のラーフィアにその気持ちは通じそうにない。他に道がないのと、ずっと慕ってたアズグレイを失ったのとで彼女も余裕をなくしたようだ。
「私たち、本当に戦う必要があるの?」というルナンの問いかけは、傷つけ合いたくない感情論でもあり、正義を見極める理性でもあり、これもまた彼女の成長の一つに思えた。刀を抜く理由と、おさめる理由。この二人の争いはこれで最後。

・記憶の遺跡へ。
対称のプレートを過ぎて二人だけになってからBGMなくなるのがすごくイイ。
下り坂の手前でディザと別れる。「次に会う時はどんな感じなんだろうね」「変わるわけないぜ」。うん。いつもの二人だ。
メモリーオーブへ向かうルナン、送り出すディザ。
ルナンは一人になる。メニュー画面の彼女の表情から、覚悟と緊張、少しの不安、これまで経てきた葛藤の数々、色んなものが伝わってくる。
何も特別でない普通の女の子だった。その少女が、この世で誰一人として経験できない特別な旅の中で、人生で二度とない特別な瞬間を迎えようとしている。

◆記憶の中

ルナンはついにメモリーオーブに向かい合い、失くした過去を取り戻す。
その記憶の中で映し出されたものは、この物語の核であり、ルナンという人物の核でもある。ここで描かれ、語られたことが全てなので、もはや自分が逐一感想を書いていく必要もないとすら思う。
とにかく、全てが心に残る。全てが驚きに溢れ、悲しく、残酷で、それでいて全て美しい。
(数年前、PC版を遊んだ友達も、このエピソードを見た後「泣いた。やって良かった」とLINEくれたの覚えてる)
記憶の中の、自分がいる施設は視覚的に“白色”が多めに映るのが印象的。真っ白く綺麗な壁と床、白衣の人々、白髪の人。どことなく無機質な色合いが、今いる自分たちの世界とは別の、幻の感じ、周りの人の温かみのなさ、生きてるのに生きていないような生命兵器の佇み……何か色々なものを感じさせる。

保存装置に入っていたもう一人の正体。同じ部屋で暮らし、いつも思いやってくれた人。心無い扱いに怒ってくれたり、冬眠装置に一緒に入ってくれたり。「いつか自由に生きられる世界が来たら、再び目覚めよう」と約束してくれた。
それがクレイシヴ。だからルナンがクレスティーユだと知っていた。にしても、「私以外の誰だというのだ?」とはよく言えたな……あなた以外の誰かにしか思えんよ。変わりすぎでしょ……

彼女は記憶を取り戻す中で「アルシア長老が言ってた、別の自分なんかじゃない。過去に置いてきたものが返ってきただけ。私は私」と。怖がる必要はなかったとわかってホッとしたのかな。
支配と孤独の中で戦い続け、苦しみ、挙句その過去を捨てた。しかし今度は空白となった過去のために思い悩み、寂しさを感じ、それを取り戻すためにまた戦い続け、結果として残酷な過去をまた思い出さねばならなかった。
生まれてから今までずっと苦しんでばかり。辛かったね、なんて一言では足りない。この世界で最も悲しい運命を背負った少女かも知れない。

目覚めてから最初に出会った人が、ガゼールで良かった。真面目に話を聞いてくれる優しい人で。それで彼女も心を開いて、この人の家族になりたいと本能的に思えたんだろうね。むしろこの人以外にいなかったと思う。
(町の名前“クレスフィールド”も、クレスティーユが眠る場所という由来でつけられたのかな?)
「戦うためにもらった名前なんていらない。この世界で新しく生きたい」と。過去を捨てる決断だって、その時の彼女が前に進むために必要なことで、その時の最適解だったんだろう。捨てることも、今また取り戻すことも、両方必要な過程だった……のかもね。
「“ルナン”なんてどうだ?」「いい名前。それがいいな」。新しい名前を考える二人のシーン、ここ本っ当に泣いた。一番好きかも。父娘の中ではもちろん、この記憶回想の中で最も美しいと感じたシーン。いや物語中で最も美しいまである……。
普通、喋れない赤子に親が名前をつけるので、子の同意がないまま一生名乗っていく名前が決まる。“クレスティーユ”もそうつけられた。
それを、過去を捨てて新しく生きる機に、親が提案した名前に対して自分も「いいな」と同意できて、それを一生名乗っていけるのってこの上なく素敵なこと。何一つ選べなかった時代から、名前も選んで生まれ変わる。
そしてこれが、ラストのあのシーンに繋がるわけで……それを思って感極まってしまう。僕は、ガゼールが名前を考える時にふと窓の外に目をやり、綺麗な月が見えたので“ルナ”が頭に浮かび、そこから名前を連想した、という妄想をしております。

他の何者にもなれなかった生命兵器が、どこにでもいる普通の女の子になれて、世界で一番素敵な父親に育てられ、旅をすれば世界で一番素敵な仲間たちに出会えて。だからあなたは幸せだなんて無責任なことは言えないが、あえて言いたい。ルナン、あなたは絶対に幸せになれる。
グラウンドシップでみんなに「クレイシヴの言う通りだった。それから逃げようとしたのが間違いだった。私が後ろを振り向こうとしなかったから、みんなにこんな迷惑をかけてしまった」と話す……ソンナコトナイヨ!!!!!と全力で叫びたい。
自分は神話に出てくる戦う者だったのか~そうかそうか~なんて誰が思える? 記憶を取り戻すためにオーブを懸命に探したじゃん。今までよく苦悩に耐えてきたよ……頑張ったネ……;
いざ全て取り戻してからだと、なんでもっと早くやらなかったんやろ、ってなるものなんだよね。


さて、本当の戦いはここから。
次は、クレイシヴが何をしようとしているのか。また、なぜそれをしたいのか。
フィルガルトはどのように滅んだのか。
もうすぐラストセクション。



Cresteaju


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