第33回 未読の読書会『雨デモ晴レテモ』開催レポート
おはようございます、未読の読書会『雨デモ晴レテモ』のふーちゃんです。
雨デモ晴レテモは読書会と言いつつも本を読むのではなく「未読」を楽しむ読書会です。
その日気になった本を選び取り、なぜその本を手に取ったのか、本との出会いを語り合う、そんな時間を味わっています。
今回は2024年8月24日に札幌のSeesaw Booksさんで開催された第33回 未読の読書会『雨デモ晴レテモ』の開催レポートをお届けします。
はじめに
東京町田で開催予定だった第32回は諸事情で中止となってしまいましたが、第33回は予定通り札幌のSeesaw Booksさんで開催することができました。
普段の札幌開催ではさーやん一人での開催ですが、今回は北海道マラソン参加のため私(ふーちゃん)も来札していたので、参加することができました。
朝から快晴の夏空の下、颯爽と自転車で来てくれた方、マイペースにゆっくりと顔を出してくれた方などそれぞれのタイミングでそれぞれのペースで集まってきてくれました。
では早速今回であった本を紹介していきます。
佐々木倫子 『動物のお医者さん4』 白泉社文庫
「老猫を飼っていて、昨日も動物のお医者さんに行ってきた。言葉も言えない動物たちにがんばったねーって声かけながら診察治療してくれるって、ほんとすごいなと思う」
前沢明枝 『「エルマーのぼうけん」をかいた女性 ルース・S・ガネット』 福音館書店
「なんとなく作者はおじいさんなんだと思っていたら、おばあちゃんだった!どんな人があの物語をかいたのか、もう知りたくて」
寺井奈緒美 『生活フォーエバー 短歌とエッセイ』 ELVIS PRESS
「好きな歌人さんのエッセイ集。この方は、私が短歌が面白いと感じたきっかけになった方。そんな方が紡ぐ、もっと長い言葉を見てみたい、どんな世界を見ているのか知りたい」
魚柄仁之助 『刺身とジンギスカン 捏造と熱望の日本食』 青弓社
「両親が空港まで迎えにきてくれた。その際に回転寿司とジンギスカンどっちがいいと聞かれた。その時の二択そのもののタイトルで、つい手に取りました。結局食べたのは中華でしたが」
樽本樹廣 『百年の一日』 百年
「百年という書店の一年を振り返る日記。表紙が素敵、蝶々にもりんごにも見えるね、手触りもいい…」
『些末事研究vol.9 結婚とは何だろうか』
「ドストレートなタイトルで、なんだったのかなぁって思って、手に取った。一度、失敗に終わった結婚。あれはなんだったのかな。何か見つかったら、次回報告します笑」
山内貴範 『ルポ書店危機』 blueprint
「とても危機感を感じる。消滅か、存続かオワコンなのか?の真っ赤な帯。個人出版の試みとか万引きの脅威とか…」
水凪トリ 『しあわせは食べて寝て待て』 秋田書店
「闘病しているとどのくらい食べ、どのくらい寝たかと問われる日々。幸せは食べて寝て待つものじゃない。それだけじゃ掴めないと思う」
最果タヒ 『無人島には水と漫画とアイスクリーム』 リトル・モア
「生き延びるために必要なのはきっと漫画やアイスクリームじゃない。でもそれを選ぶのってすごく自由でいいなと思う」
チャーリー・マッケジー・著 川村元気・訳 『ぼく モグラ キツネ 馬』 飛鳥新社
「万年筆で描いたような線画と文字が美しい絵本。大切な人に贈ったのを思い出して、手に取って、紹介したくなった」
中野ジェームズ修一 『定年ランニング』 徳間書店
「北海道マラソン前日。高校生以来のフルマラソンをいつかまた走りたいとずっと思っている。まだ定年まであるし、定年してからでも始められるみたいだし。いつかを狙い続けたい」
編集後記
北海道マラソン前日。ソワソワと少し落ち着かない気持ちでSeesaw Booksに辿り着くと、開店前の店内はひんやりと涼しく静かで、いつもどおり意志を持ったたくさんの本たちが出迎えてくれました。
走るために、食べること・寝ることにはいつも以上に気を使ってきたここ数ヶ月。闘病のため食べること・寝ることを強いられている彼女。
言葉を持たないものたちの病と向き合う動物のお医者さん。
無人島に漫画を持っていくという軽やかさ。
マラソンを走ること自体は人生において必須の出来事ではないけれど、その無意味さゆえの尊さもあり、一方で病を抱えて命と向き合う切実さと希望も感じ。
そんなそれぞれの色々を抱えた私たちが本屋に集い、読んでもいない本についてあれやこれやと語り合う滑稽さ。これもまた良いのかもね。
始まる前のソワソワも少し落ち着き、やるしかないと心が決まってお店を後にしました。
次回もまたどんな本と出会えるのか、お楽しみに。
追伸:北海道マラソンは無事に完走いたしました!
文:ふーちゃん
概要
2024年9月現在
札幌:SeesawBooks
北海道札幌市北18条西4丁目1-17
東京:ノンアルコールスタンド0号室×kuromojibooks
東京都町田市山崎町2200-3-17-104(山崎団地名店街の中)
その他:本のある心地の良い場所
開催頻度:札幌、東京ともに月1回ペースで開催
開催後ふーちゃんの運営するPodcast『ブリコラジオ』で振り返り
各種お知らせ:https://www.instagram.com/amedemo.haretemo
ふーちゃん:雨女。自称人見知り。何かを思いつき、ワクワクを原動力に走り出すのは得意だが持続力がない
さーやん:晴れ女。鬼のコミュ力で誰にでも話しかける。サポート力・共感力が強く、持続力がハンパない
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