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第35回 未読の読書会『雨デモ晴レテモ』開催レポート

こんにちは。未読の読書会『雨デモ晴レテモ』のふーちゃんです。

未読の読書会は課題図書もテーマ設定もない、その日本屋さんで出会った未読の本について語り合う、そんな軽やかな読書会です。

今回は2024年9月23日(月祝)に札幌Seesaw Booksさんで開催された第35回の開催レポートをお届けします。


はじめに

なんと先日の第32回の町田開催回の中止に続き、第34回の町田開催回も台風接近で急遽中止になってしまいました。そんな中でも安定の札幌開催。

9月に入り急激に涼しく(寒く!)秋めいてきた北海道ですが、この日はポカポカと暖かい夏の名残の残る祝日の朝となりました。

1年前に参加した東京町田の文学館フリマで出会った方が、今回たまたま来札に合わせてご参加いただき再会できたり、雨デモ晴レテモ開始のきっかけの一つであるお宿に泊まる予定の方がいたりと、ご縁のつながる喜びを感じることができました。

今回も絵本から直木賞受賞作品から餃子まで!さまざま、とても面白い選書となりましたので早速ご紹介していきます。

河﨑秋子 『ともぐい』 新潮社

「仕事を休んでる間に読んで面白かった本。ヒグマと共存することが出来るかと。作者の他の作品も読んで北海道のことだけど知らなかったことばかりで。少し見えるようになった気がした。」

みやこしあきこ 『ちいさなトガリネズミ』 偕成社

「長年の友達に会って別れる時、このお話みたいにタクシーを呼んでくれてずっと動画を撮って見送ってくれた。たまたま来たのが介護タクシーで、とても歳をとった気持ちにもなったけどまだまだずっと友達でいたい。」

パラダイス山元 『読む餃子』 新潮文庫

「餃子が好きで夫婦で食べに行く。ぱらぱらっとみて印象に残ったのは、残念だった餃子はすぐ忘れよ!というところ。別の餃子で上書きしたいって時がたまにある笑」

武藤要 『本屋巡りの旅はじめてみました 増補改訂版』

「気になっていて買おうと思っていたZINE。旅先でも本屋につい寄って、つい本を買ってしまう(共感者多数!)。旅先の本屋は1箇所1冊までのルールにしたり、買った本屋のレシートを挟んでおいて、買った時と場所を思い出せるようにしてるなんて話も。」

カフカ 頭木弘樹・編訳 『カフカ断片集』 新潮文庫

「以前海外文学読もうとして挫折したけど、断片からなら読める気がして。カフカは死ぬ前友人に『死んだら作品を全部燃やすように』と頼んでいたけれど、友人は燃やさなくて。そのお陰で現代に作品を読むことが出来てるんだけど、本人的にそれってどうなんだろう?」

銀色夏生 『微笑みながら消えていく』 角川書店

「空の写真と中の写真、そして題名に惹かれたから。作者さんの名前もよく見る気がするのに読んだことがなくて、なんだか今巡ってきた感じ。」

小関茂 『歌集 宇宙時刻』 点滅社

「これも表紙の絵に惹かれて。最近の歌集かと思ったら、すごく昔の作家さんのものを今改めて出版されたものだった。こんなに時空を超えて作品が読まれるってどんな感覚なんだろう。」

シモーヌ・ストルゾフ  大熊希美・訳 『静かな働き方「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す』 日本経済新聞出版

「最近退職したばかり。一回お休みしてこれからどうやって働こうか考えている。同じような働き方を選ぶのか、違う形を選ぶのか。
働いていたときには感じなかったことが辞めると気になったり。スーツを着て同じように仕事に向かう人たち、お昼に一斉に昼休みに入る人たち。」

中川李枝子・作 山脇百合子・絵 『ぐりとぐらのおきゃくさま』 福音館書店

「仕事をしない間に旅に出る予定。その時の宿に、本を寄付して泊まれる『ひととまる』を選びました。そこに持っていくための本として。」

服部文祥 『北海道犬旅サバイバル』 みすず書房

「以前から好きだった、サバイバルをしている作家さん。犬も好きなので犬とのサバイバルが気になっちゃって。」

荒井裕樹 『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』 教育評論社

「良い文章ってなんだろう?という帯文が、今まさに気になっていることだった。自分で日記を書いたりZINEを作ったりしていて、自分の文章は上手いとも思わないけど面白いと言ってもらうこともあって。良い文章ってなんなのか、もっと知りたいと思っていたから。」

吉本隆明 『ひきこもれ ひとりの時間をもつということ』 大和書房

「吉本ばななさんのお父さんの作品。日常に流れている時ではなく、ひとりでひきこもっている時に生まれてくるものがある気がしている。今一番求めているのはひきこもれということな気がして。」

編集後記

本は言葉を使って作者の生きた時代を超え、時には意図しない場所で意図しない人々に読まれる。
当時の作者がそれを知ったら?と想いを馳せ、その時代の言葉に出会った現代の自分との共鳴に耳を澄ませる。

退職してできた休符のような時間、心の声が聴こえる一人でひきこもる時間、旅の香りと時間を纏った本、餃子から溢れる至福の今を味わう時間。

そんなさまざまな「時間」を感じる選書でした。
次回はどんな本とどんな方々とどんな時間を過ごせるか、楽しみです。

読んでくださった方にとっても良き本との出会いになれば幸いです。

文:ふーちゃん

概要

2024年9月現在

札幌:SeesawBooks
    北海道札幌市北18条西4丁目1-17
東京:ノンアルコールスタンド0号室×kuromojibooks
    東京都町田市山崎町2200-3-17-104(山崎団地名店街の中)
その他:本のある心地の良い場所
開催頻度:札幌、東京ともに月1回ペースで開催

開催後ふーちゃんの運営するPodcast『ブリコラジオ』で振り返り
各種お知らせ:https://www.instagram.com/amedemo.haretemo

ふーちゃん:雨女。自称人見知り。何かを思いつき、ワクワクを原動力に走り出すのは得意だが持続力がない

さーやん:晴れ女。鬼のコミュ力で誰にでも話しかける。サポート力・共感力が強く、持続力がハンパない

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