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第31回 未読の読書会 『雨デモ晴レテモ』 開催レポート

こんにちは、未読の読書会『雨デモ晴レテモ』のふーちゃんです。

未読の読書会『雨デモ晴レテモ』は、参加者さんがその日気になった本を選び取り、なぜ気になったのか、今の自分のどんなセンサーに引っかかったのかを語り合う「読まない読書会」です。

今回は2024年7月21日に札幌北18条のSeesaw Booksで開催した第31回の開催レポートをさーやんからの報告をもとにお届けします!

はじめに

朝からあつーい札幌の夏空の下での開催です。
もうここまで暑いと外でほのぼのも出来ないので、Seesaw Booksさんの中で涼みながら快適に開催しました。

今回ははじめましての方、2回目の方、リピートしてくれてる方、常連さんとさーやんの6人でした。
ささやかなSNSでの告知やSeesaw Booksさんのカレンダーをみてきてくださって、ありがたい限り。

では早速今回出会った本たちをご紹介していきます。

pha 『どこでもいいからどこかへ行きたい』 幻冬舎文庫

「作者さんの文と相性がいい。ふらっと色んな旅に出た話に惹かれて。今度旅行の予定もあるし、参考にしようかな。」

寺原真希子/三浦徹也 『選択的夫婦別姓 これからの結婚のために考える、名前の問題 岩波ブックレットNo.1093』 岩波書店

「私は今29歳で、周りも結婚の話が多い。でも選択的夫婦別姓の視点の話は出たことがない。意識してこなかったから読んでみようかなと思って。」

神長恒一/ぺぺ長谷川 『だめ連の資本主義よりたのしく生きる』 現代書館

「資本主義とかよくわからないけど、作者さんのトークイベントに参加して、色んなこと気にしすぎず生きてもいいんだな、という話が書いてありそうだから。」

安達茉莉子/いよりふみこ/小山内園子/渡辺愛知 『私たちの"解放日誌"』 タバブックス

「表紙のクマが前にも見かけた気がして。タイミング的に解放されたい・したいなと思って。(「解放日誌」という韓国ドラマついて語ってるZINEですよ〜と読んだことがある方から)」

藤萌/木村紅美/高橋和也/清田麻衣子/月と犬/DJ CHIGON/藤井聡子/温又柔/上川多実 『里山通信1号 たどり着いた現在地』 里山社

「解放の気持ちから、どこでもいいからどこかに行きたくて。札幌も都会だから自然がいいな、でも虫が苦手で…秋まで待つか苦笑」

浦川通 『AIは短歌をどう詠むか』 講談社現代新書

「短歌が好きで、最近はちょっと作ったりする集まりにも参加した。AIは夢を見るのかという本も読んで、AIに短歌を学習させたらどんな短歌を作り、それを人はどう感じるのかとか気になって。」

最果タヒ 『無人島には水と漫画とアイスクリーム』 リトル・モア

「中高生の頃に感じていたような痛いくらいの感覚を、同世代なのに持ち続けているんだなと感じた詩人の最果タヒさん。漫画の書評をたくさん書いてる本みたい。自分が読んだ漫画をそんな詩人さんがどう書いてるのか読んでみたくて。」

中山元 『労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか』 平凡社

「高校の頃から仲の良い友達と、最近になって働くことについての考え方がだいぶ違うってことに気がついて。どこからどうズレていったのかなと思うところがあって。」

岡田悠 『はこんでころぶ』 透明書店

「作者さんのぶっ飛び具合が好きで、今日買うと決めてきたZINE。免許を失効したのに、車買っちゃって講習に行くところから、みたいな話だったと思う。絵が可愛いの気づいてなかった。」

僕のマリ 『すべてあたたかい海』

「作者さん買い。常識のない喫茶店という最初の作品で、お客にめっちゃ厳しい作者さん。そのせいで、ずっと怖い人だと思われちゃうみたい。でも他の作品だと全然違うキャラクターもみえたから他の作品も読んでみたい。」

名主川千恵/落合加依子/高木日向子/中須俊治/嶋田翔伍『たやさない つづけるためのマガジン vol.2』 hoka books

「帯の『頼まれてもいないものに、自分なりの思いを込める』って言葉に惹かれて。すごいデザインも凝ってるZINE。一個ダメだしすると…目次がない!』

東畑開人 『野の医者は笑う』 文春文庫

「好きな作者さんの最初の作品で最近文庫化されて読んだ。傷ついてヒーラーになる。非科学的なヒーリングと心理学との境界はどこなのか、非科学的なものたちから癒され回復するのなら、そのツールはなんであっても良く、実は大きく変わりないのかも、というような話が腑に落ちた。」

キム・ハナ/ファン・ソヌ/訳 清水知佐子 『女ふたり、暮らしています。』 CCCメディアハウス

「胃が合うふたり、という本を読んで、互いに尊敬する同性のパートナーの尊さを感じた。結婚とか性別とか関係なく、お互い尊敬しながらの共同生活に同じ尊さの匂いを感じて。そんな相方は何より大事にしたい。(阿佐ヶ谷姉妹とかもそんな間柄っぽいよね!?)」

編集後記

Seesaw Booksさんでは毎回ZINEを選ばれる方が多く、今回も13冊のうち4冊がZINEでした。
「たやさない」の帯にもあるようにZINEは「頼まれてもいないものに自分なりの思いを込める」ものが多いように思います。
そこには社会に編集されていない、作者の歪で不器用でストレートな思いが込められており、だからこそ万人ではなく私自身に響いてくる鋭さを持っている気がします。

暮らすこと、働くこと、旅すること。
みんな同じではいられなくなった世の中で、自分なりの選択にどんな思いを込めていけるか。
そんなことを考えさせられた選書でした。

次回はどんな本に出会えるか、お楽しみに〜

文:ふーちゃん

概要

2024年8月現在

札幌:SeesawBooks
    北海道札幌市北18条西4丁目1-17
東京:ノンアルコールスタンド0号室×kuromojibooks
    東京都町田市山崎町2200-3-17-104(山崎団地名店街の中)
その他:本のある心地の良い場所
開催頻度:札幌、東京ともに月1回ペースで開催

開催後ふーちゃんの運営するPodcast『ブリコラジオ』で振り返り
各種お知らせ:https://www.instagram.com/amedemo.haretemo

ふーちゃん:雨女。自称人見知り。何かを思いつき、ワクワクを原動力に走り出すのは得意だが持続力がない

さーやん:晴れ女。鬼のコミュ力で誰にでも話しかける。サポート力・共感力が強く、持続力がハンパない

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