個展をひらく自分への10のアドバイス
こんにちは、あめだまほっぺです。
2020年8月7日から10日の4日間、東京にて初めての個展を開きました。
ぼんやりと個展を開きたいなと思っていた20代前半に比べて、個展を開くぞ!と決断してから約1ヶ月半という短い準備期間で開催できた個展。
今回の記事では、個展を開く前の自分へのアドバイスという形で個展を振り返ります。個展を開きたいけど自分なんて…と思っている方や、個展を開くためにどういう準備をすればいいんだろうと思っている方のお役にも立てたら嬉しいです。
個展を開くきっかけ
個展を開くことを具体的にイメージできるようになったのは、イラストレーターのサタケシュンスケさんが2019年に書いた記事を読んでからです。イラストレーターでもなく、実績もない私が自分次第でいつでも個展を開けると思えるようになりました。
1.誰に?何のために?を大事にしよう
個展を開くと決めたときにまず考えたのは、誰に見てもらいたいかな、そもそも何で個展を開くんだっけ?ということ。
私が対象として思い浮かべたのは、家族や友達。特にこのタイミングで開催しようと決意したのは今年の春に始めた音声配信サービスのstand.fmで出会えた友達の存在が大きい。オンラインで知り合ったがゆえに連絡先も知らず、いつまでこの関係で居られるかわからない、そんな刹那的にも思えた繋がりが逆に今がチャンスと背中を押してくれた。
目的は、自分の絵を見てもらう機会を作ること。
今後個展を開くたび、まず最初に「誰に、何のために」を考えよう。この2つの土台があれば、最後まで突き進める。準備を進めていく中で迷うことがあれば、この2つに戻ってくればいい。
2.まず場所と日程を決める
お知らせをするために必要なのが場所と日程。この2つがあれば、来てほしい人たちにご案内できる。告知用の画像やフライヤーを作る際にも必ず、間違えのないように入れよう。
会場は、お気に入りのカフェの展示スペースを借りた。そのお店が好きだったし、個展を開くイメージができた。日程は、平日+3連休にした。平日を1日入れたのは、土日がお仕事の人でも来てもらえる日程にしたかったから。
3.電子決済を導入してよかった
会場と会期が決まり次に行ったのは、納期が長そうなグッズなどの発注先調べと納期の確認、それと電子決済の比較検討と申込み。特に電子決済の審査には時間がかかるからこれを初期段階で準備した自分をほめたい。
比較検討の結果、Airペイを申し込み、AirレジというアプリをiPadにインストールして使った。
・手数料は他の決済サービスとほぼ変わらず3.24%〜
・導入コストも継続コストも0円
・クレジットカードも交通系ICもQRコード決済も対応している(これが決め手)
その結果、お客さんの6割は現金以外でのお支払いだった。おつりの準備が少なくて済み、スムーズにお会計できたのがよかった。
4.個展に足を運ぶことの体験を重視した
画面越しにイラストを見てもらえる時代に個展を開き、わざわざ足を運んでもらえるのはとても贅沢なこと。場所も時間も制限され、特に感染症に注意しないと行けない時期にお越しいただく人々。その人たちにどう個展を楽しんでもらうか考えることって、とっても大切。
個展の日を迎えるまでのわくわくした気持ち、初めて降り立つ駅から会場までの道のり、会場についてから作品を眺める順序や作品を飾る高さ、グッズを買ったときや見終わったあとの気持ち。
一例を挙げるとこんな感じ。全部やってよかった。
・個展の進捗をTwitterやstand.fmで発信する
・イラストを使ってカウントダウンをする
・最寄り駅から会場までの道のりを動画で撮る
・個展への想いを紙に書いて貼っておく
・動線を考えて作品を配置する
・紙やアクリルブロックなどにプリントし、作品の質感を楽しんでもらう
・来てくれた人に感想を書いてもらうゲストカードを用意し、掲示する
・購入してくれたグッズをオリジナルの袋に入れて渡す
5.周りを頼ろう、外注できるものはしよう
今回の個展を準備するにあたり、ありがたいことに「手伝うよ」と言ってくれる友達が大勢いた。最初は、自分の個展だからできることは全部自分でやろう!と意気込んでいたけど、自分の力には限界があって、時間も有限で、弱音を吐くように友達にお手伝いをお願いした。
驚くことに快諾してくれて、本当に助かった。事前の会場下見や設営、当日の販売スタッフや最終日の片付け、他にも告知用の画像チェックや会計周りのリマインド、グッズの相談など、迷ったり困ったりしたときに相談した。中には、「作品を作ることや当日来てくれた人とお話することに集中して、それ以外のことは周りに頼ってもいい」とまで言ってくれる友達がいた。なぜなら、来る人たちはあめだまほっぺの作品を見に、あめだまほっぺと話したくて来るんだからと。
告知用のポストカードやシールのプリント、カッティングも外注した。最初は費用を抑えるためにできるだけ自分でやろうと思ったけど、時間もコストであることに気づき、潔く外注した。来てくれた人に書いてもらうゲストカードも、作品を購入してくれた人に書いてもらうご予約カードもデザインだけ作って外注した。結果、作品にかける時間が増えたし、品質も良かったので外注して正解だった。時間はお金よりも貴重かもしれない。
6.顔料プリンターを買ってよかった
デジタルで描いたイラストを印刷するにあたって、外注するか悩んだけれど、思い切って買ってよかったのが顔料プリンター。顔料プリンターを知ったきっかけはサタケシュンスケさんのこちらの記事。顔料プリンターの特徴も書かれている。
フォトグラファーの友達も顔料プリンターを所有していて、実際にその作品を見せてもらった上で後継機となる最新機種がちょうど発売されたので購入を決断した。おかげで会期直前まで作品の制作ができたし、自分の作品に合った紙を選び、きれいに印刷することができた。
7.経験者の話を聞かせてもらおう
プリンターの件でもわかるとおり、経験者の話ってすごくありがたい。そう思ったから、自分もこうして記事を書いているわけで、経験したことからわかることってたくさんある。
個展の会場と会期が決まった日から1週間後に、同い年で個展開催の経験があるフォトグラファーの友達にお話を聞けた。準備初期段階で聞くことができてよかった。個展のイメージがより具体化したので、進めていくべきことがわかり、事前に会場に確認しておいたほうがよいことも教えてくれたので、感謝している。
8.価格設定は客観的意見も参考に
正直、自分の作品にどれだけの価値があるかわからない。それでも、嬉しいことにお金を出して買いたいと言ってくれる人がいた。この絵を自分の家に飾りたい、またはプレゼントしたい人がいると言ってくれた。個展を開かないと経験できなかったことの一つでもあり、感動した。
送料込みで設定したけれど、何人もの人に安すぎると言われたので、次回は事前に周りに聞いてみよう。
9.記録を大切にしよう
個展の様子を写真や動画で撮ってくれる友達がいた。そのときの個展は、その瞬間が最初で最後。お金を払ってでも記録したほうがいい。次回の参考にもなるし、何より自分の宝物になる。友達がSNSにシェアしてくれるのも嬉しかった。
来訪者に「ゲストカード」を記入してもらって感想やイラストなどを書いてもらった。壁一面に貼られたゲストカードは愛にあふれていた。会期終了後そっと壁から剥がし、今でも大事に枕元に置いていて、時々読み返している。
最終日の片付けが終わったあとに、個展の振り返りもした。良かった点、改善点の2つにわけて振り返った記録があるからこそ、次に活かせることもたくさんある。片付け終わりで疲れているところ、ごはんを食べながら長時間話してくれた友達や弟に感謝。
ちなみにAirレジを使ったので、会計の記録が簡単にできたのもよかった。1日の売り上げやどのグッズがいくつ売れたかも記録に残り、便利だった。
10.ぜんぶ自分の好きにしていいんだよ
個展は、字の通り個人の作品だけを集めた展覧会。会場のルールはあるけど、それ以外は制限するものが何もない!自由に考えて、自分の好きが詰まった個展にできて本当に良かった!
特に良かったのは、
・リソグラフ(デジタル版画のような手法)に挑戦できたこと
・作品に合わせたマットフレームと組み合わせて作品を展示できたこと
・アクリルブロックにプリントした作品を展示できたこと
・プロジェクターで短いアニメーションを投影できたこと
・お気に入りのお花屋さんのスワッグ(花や葉を束ねて壁にかける飾り)を飾れたこと
・会場である1 ROOM COFFEEさんをテーマにした手ぬぐいを作れたこと
・最終日の朝にインスタライブをしたこと
こうして、振り返ると実感するのは周りの人の温かさ。一人では決して実現することができなかっただろうし、文化祭のようにみんなで作り上げられた個展だと思っている。
個展名の案出しや細かな準備を手伝ってくれたりアドバイスをくれたみなさん、マットフレームを取り付けてくれた額縁屋さん、リソグラフ初心者に手取り足取り教えてくれた印刷屋さん、私のキャラクターを描いてくれたりアイロンビーズで作ってくれたりしたお友達、当日足を運んでくれたみなさん、来られなくても遠くから応援してくれたみなさん、noteなどを通じて金銭的にご支援してくださったみなさん、本当にありがとうございました!
みなさんから受け取った愛情が、今のあめだまほっぺを作っており、次回に向けたやる気にもなっています。次回の個展、「あめだまふたつめ」でお会いできることを楽しみにしています。
●個展の動画はこちら(約1分30秒)
●最終日の朝に作品説明とともに行ったインスタライブ(約50分)
写真提供:
Zacky(電子決済の写真)
水野(記事のヘッダー写真、アクリルブロックの写真、壁に飾られた作品とスワッグの写真)
2人は会期中の販売スタッフやSNS発信なども行ってくれました。ありがとう。
いただいたサポートは、2回目の個展の会場費や制作費に使わせていただきます。よかったらサポートをよろしくお願いします!