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明け方に聞いたカメラマンの話

「写真は、手段に過ぎない」 彼は、そう言っていたよ。

私が、私にとってのイラストについて考えている明け方に、カメラマンの彼に、自分にとっての写真って何?と聞いてみたの。

そしたら、彼はこう答えてくれた。ビジュアルを作りたい、さらに言うなら楽しい世界を作りたいと。

彼はいくつもInstagramのアカウントを持っていて、そのひとつに、トイレのマークだけを投稿しているアカウントがあるの。
少し変わっていると思わない?でもね、話を聞いたらいい話だったので、この記事を寝ないで書いてるよ。忘れないうちにね…。

撮影したトイレのマークを見た人から、写真に”いいね”をしてもらいたいんじゃなくて、あ、自分の生きている世界にはこんなおもしろいマークがあるんだなっていうことに気づいてほしい。そうすれば、次に出会ったトイレのマークも楽しめるかもしれないでしょ?僕との世界を共有したいというより、楽しい世界を拡げていきたいんだ。

トイレのマークひとつに、そんな思いを馳せているなんて驚いたし、そんな彼と出会えたこと、そしてこの話を聞けたことに嬉しくなったよ。

彼は、楽しいと思うことをやっていたい、その楽しいことのひとつが写真だったと話してくれた。その楽しいことに”いいね”、”それもいいよね”と言ってもらえる人と繋がって、それがどんどん拡がれば楽しい世界ができると。

そして、彼がカメラマンを選んだ理由がもうひとつあったよ。
カメラマンなら少人数でパーティ、グループを組んで同じ世界を共有しながら楽しめるからと。

写真は一人では撮れないんだよね。モデルさんがいて、ディレクターさんがいて、ヘアメイクさんがいて、何人かで撮る写真。同じ目的で集まった人たちが同じ空間を共有している時間。彼にとっては心地よい時間なんだろうなあ。

冒頭に書いた「写真は、手段に過ぎない」という言葉が示しているように、彼にとっての写真、ないしはカメラマンというのは楽しい世界を実現するためのひとつの方法に過ぎないけれど、それは理にかなっているなと納得したよ。


カメラマンの彼




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