プラシーボ効果


 昔ある病院において胃潰瘍の患者たちを2つのグループに分けて次のような実験を行った事があります。最初のグループには看護師が薬を渡す際、わざとつれない態度で、これが効くかどうかは私には分かりません、だけど、これが私の仕事だからあなたに勧めるのです。患者たちは誰もが浮かない顔つきで、その薬を受け取りました。

 もう一方のグループには、 担当医が直接同じ薬を勧めました。

「この新薬はとてもいい薬で、あなたの症状にとても効果があります。是非服用してください」

満面の笑み、しかも自信たっぷりの口調でそう語りかけたのです。するとここにある 異変が起こりました。2つのグループの間において、薬の効果に大きな差が生じたのです。つれない態度の看護師の薬を飲んだ患者たちは、平均して25%しか薬は効果がなかったのです。だけど担当医が自信をもって勧めた患者グループは、何と70%も良くなったのです。

 この実験が物語っているのは、たとえ 同じ薬でも患者が、この薬は病気に効くの だ、と思って飲むのとそうじゃないのとでは、こんなに差が出るということなのです。病は気から

 ちなみにかの実験で使用した薬は本物ではなく実はメリケン粉でした。

 患者が気持ちを前向きに持てば、メリケン粉だって、胃潰瘍はたちどころに治ってしまうものなのです。これまた病は気から。

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