霊柩車

 昨日の夕方、道を歩いていたら、向こうから車が走って来た。霊柩車だ。僕は端に寄って、車が通り過ぎるのを待った。夕日を浴びて真っ赤に染まった霊柩車は、音も無く静かに近づいて来て、僕の横を通り過ぎた。僕は再び歩き出そうとしたが、ふと、妙な視線を感じて振り返った。すると、霊柩車の後ろの扉が少しだけ開いていて、その隙間から、顔半分が焼け爛れた男の人が白く濁った眼で、僕をじっと見つめていた。

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