夜道【ホラー怪談小説】
やだわー、もう。参っちゃった。こんな夜遅くじゃ、誰も歩いていないし、どうしょうかしら。うーん、困ったなあ。どうしようかなあ…。あ!あそこの道端に、お巡りさんが居るじゃない。ちょうどいいわ。あのお巡りさんに尋ねてみよう。
「ねえ、ねえ。お巡りさん」
「はい。何でしょう」
「わたし、聞きたいことがあるの」
「どうそ。遠慮なく、おっしゃって下さい。市民の皆様を助けるのが、私の役目です」
「そう。じゃあ、遠慮なく、聞くわ」
そう言うと私は、口のマスクを外した。
「ねえ。私って、綺麗?」
「わあああ!!!」
あれ?どうしちゃったの。何で悲鳴なんてあげるの。
「わあああ!!!助けて!!!」
そんなに私の顔って、怖い。ねえ、答えてよ、お巡りさん。私って、綺麗?怖い?どっちなの?ちゃんと教えて。ねえ、お巡りさん。はっきり言ってよ。ねーえ。あ!逃げやがった。毎度の事ながら、腹が立つ!くそー!絶対に、逃がさないぞ!待てーー!