ボディータッチ
日本人は人と会った時にお辞儀をするのが習慣なのに、やたら握手をしたがる人たちがいます。政治家と芸能人です。特に選挙期間中の政治家は、1日何十人、何百人との有権者と握手をしたかが、選挙運動をどれだけ頑張ったかのバロメーターになります。1日1000人、いや 2000人といった具合に目標を立てて、それこそ手が真っ赤に腫れ上がるぐらい死に物狂いで握手をします。また有権者の側も、握手されるとその政治家が急に身近に感じられてくるから 奇妙なもの、選挙カーの中から手を振られるよりかは、握手された方が、この人に投票しようかしら、という気分になるから不思議なものです。
それほど私たちが握手をはじめとするボディータッチに弱いのは、刷り込みに基づくというのが定説になっています。この刷り込みは、ノーベル賞を受賞した動物行動学者のコンラートロレンツが指摘したもので、動物の学習の一つのパターンで、例えば鳥のヒナは、最初に動くものを見るとそれを親だと思い込む習慣があります。( ラジコンを見ても、それが親だと思うらしい)これと同じことが人間にも起こっていると言います。
人間のボディータッチは母親の胎内にいる時にすでに刷り込まれていると言われています。大抵の母親は赤ちゃんがお腹にいる時、日に何度もお腹をさすります。これがボディータッチの心地よさを記憶し、特に有名人と握手した時、不思議と気持ちの良い状態になってしまうのです。
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