刃渡りの術
畳の上に置かれた刃の上を歩いて渡る 刃渡りの術、これは一見、超人技のように見えますが、その仕掛けを知っていれば難しい技でも何でもないのです。その昔、甲子園常連校のある野球部で、この刃渡りの術が稽古に取り入れられていたといいます。その理由は、 精神力を養うためだといいますが、刃渡りの術は、高校生でもできるものなのです。
元々、刃で柔らかいものを切る場合、ただ押し付けただけでは切れません。この事は、人間の皮膚の場合も同じで、押し付けるだけなら意外と大きな力に耐えられるものなのです。
刃渡りの術で刀に押し付けるのは、足の裏。ここは、とりわけ皮膚が厚く丈夫にできているので、刃の上に平らに乗れば切れることはまずありません。片足で乗っても100キロの体重を支えられると言われています。 しかし刃の上で足を滑らせると皮膚は容易に切れます。あくまで刃に対して平らに体重をかけるバランス感覚や集中力が重要なのです。なので昔から刃渡りの術は、精神力や集中力の鍛錬に利用されてきたわけです。