ヘル・ヘル【怪奇なミステリーゾーン】
アメリカのミシガン州のある歴史博物館には、 一見しただけでは用途のわからない妙な道具が展示されている。ガラスケースに保管されたそれは、鋼鉄製で見てくればアメフトの選手が被るヘルメットのような形をしており、そのてっぺんからは長さ10cmほどのネジ式の棒が飛び出している。そしてその棒の上部と途中には、ネジとそのネジを締め付ける金具が備わっている。それから今度はヘルメットの内側を覗いてみると、その両側にはバラのトゲみたいな小さな針が無数に点在していることがわかる。甚だ奇妙な代物であるが、実はこれ、拷問用に開発された自白マシーンだというのだから驚きだ。
罪人がこのヘルメットを被らされ上部のネジが回されると両脇から徐々に頭が押しつぶされていくような巧妙の仕掛けが施されているのだが、しかし、内側に配置された無数の針があるため、頭蓋骨にかかる圧力は分散されていく。従ってネジが回されるたびに頭蓋骨は、バキバキという不快な音を立てながら砕けていくわけだが、決して内部の脳までは破壊されることはないという。生殺しの状態である。
この状態では、脳の損傷により引き起こされる神経麻痺や失神は期待できないため、 罪人は、終始、悲鳴を上げ壮絶な苦しみを味わわなければならない。そのため どんな過酷な拷問にも耐え抜いた百戦錬磨の罪人でさえこの自白マシーンを用いれば あっさり自白したと言うから、その性能は絶対だ。
何ともまあ恐ろしいヘルメットでした。