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ウジェーヌ・ドラクロワ / メトロポリタン美術館
ブブのながいはなし40
ブブが木から受け取ったエネルギーはブブの中に確実に入っていきました。でも何が起こるわけでもありません。ブブの疲れが回復するわけでもありません。ブブはただ幹に手を当てます。何も起きなくてもそれでいいのです。感じるだけ、それによって得をしたり、損をしたりするなんてことももちろん関係ありません。ブブはただただ木のそばにいました。また眠くなってきましたが、今度はちょっと我慢しました。別の世界に今は行きたくなかったのです。ブブは我慢が嫌いでしたが、必要な時もありました。ブブはじーっとしていました。そこには静寂が流れてきました。その流れに乗ってブブはどこまでも行けそうでした。でも、はっと一瞬。流れに乗ったブブは滝から落ちてしまいました。木にも迷惑だったようです。ブブが長く触っていましたから。距離感というのは大事なものです。