ブブのながいはなし54
ブブは歌を忘れていました。歌はあったかい場所と一緒にあったはずでした。そして忘れてしまったことすら気づいていなかったのです。ブブの頭は思っていたよりカッチカチで重くなっていました。「ステップよりも歌が先だったか」木の精はぽつりとつぶやきます。でもどうやったらブブが歌を思い出せるのか見当もつきません。なんと説明したらいいかわからないのです。歌はどうやって歌えばいいんだろうと木の精まで考え始めてしまいました。ブブは木の精が黙ってしまったので、どうしていいかわからなくなりました。声を出すだけならできますが、歌となると別なのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?