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ブブのながいはなし28

ブブを包み込んだ真っ黒い闇は恐怖のようでいて意外にも心地のよいものでした。ドロッとしていてあたたかくて、体全体を包み込んでくれているようでした。でもこれからどうなるものか、もしかしたらこのまま闇に呑み込まれたままなのかもしれないと思うとまた不安が募ってきました。あたたかい心地よさよりも、不安が頭の中と気持ちを支配していきます。もうステップのことは忘れていました。別のことで頭がいっぱいになれば、すぐに忘れられるのでした。「またステップを踏めば大丈夫だよ」どこかから声がします。闇の中から響いてきます。ブブはステップのことを思い出しました。でも今はドロッとした闇の中です。ステップなんて踏めるはずもありません。ステップはなんの役にも立たないのです。ブブはあたたかい闇の中で目を閉じました。相変わらずもう全部が嫌なのでした。

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