ブブのながいはなし37
目をさますとブブはもともと休憩しようと決めた木の根元にいました。あれからずいぶん時間が経ったようでした。休もうと思ったことが遠い昔になり、体には気だるさがありました。体のあちこちに疲れの毛玉がたまっているようです。体を動かそうと思っても錆び付いて、ギーコギーコと音がなりそうなくらい、だるくなっていました。もともとそうだったのかもしれませんが、ブブにとっては心地の悪いことでした。大きくあくびをして息を吐き出すと、風がそれに呼応するように動きます。もしかしたら、幽霊が近くにいるのかもしれません。でも、ブブに残されたのは、思うように動かない体だけでした。休もうと思ったのに、全然休めていません。いつもたいがいそうなのです。休もうとしたって疲れはとれずに、逆にどっと疲れがでるのです。なぜなのかブブは考えたことがありました。すると思い当たるのは、疲れていることばかりに考えが行き過ぎて、逆に疲れを意識してしまうのではないかということ。でも今回は違うのです。ブブはステップを踏みました。別の世界に行ってきたようなのです。なんだか特別な気がするのです。
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