ブブのながいはなし27
ブブの体は疲れで水を含んだみたいに重くなっていました。「はあ」ブブは深いため息をつきます。「休もう。目を閉じて、いちばん楽な姿勢をとって」肩の重みでしかない幽霊なるものが語りかけてくれます。「はあ」ブブはまたため息をつきます。もうどうでもよくなってきました。考えて疲れて、動いて疲れて、もう何もできません。ブブは目を閉じてみます。もう何もしたくありません。目を閉じると光の残像がうっすら見えて、なんだか気味が悪いのでした。ブブは呼吸をして全部忘れようとします。ステップも肩の重みも今までのことも。でも忘れよう忘れようと思うほどそれらは肥大していきます。またまた全部嫌になってきます。巨大な闇が目の前から自分をのみこんでいくようなのです。
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