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フィンセント・ファン・ゴッホ / メトロポリタン美術館
ブブのながいはなし62
ブブの予想とは反して、ふわふわとした気持ちはずっと続きました。心配しなければ、不安にならなければ、この気持ちはずっと続くことだってあるのです。ブブはいつも考え事ばかりしていたせいで、心地よいこの気持ちを忘れていました。さあ、あとは帰るだけです。風と一緒に一歩ずつ進んでいけばよいのです。どうして歩いてどこかに行こうとしたのか、いまとなってはわかりません。どうして安心できる場所から遠ざかろうとしたのか、全然わかりません。もしかしたら、安心が怖くなったのかもしれません。生きていくことはこんなに心地よいはずがない。勝手に思ったのかもしれません。でも、いまはそんなことはありません。体が軽く、ふわふわとして一歩一歩踏み出せます。ひょんなこと、急にすべてが解決したように思えました。不思議な不思議なおはなしです。