ブブのながいはなし61
ブブはうとうとしていました。現実のような現実ではないような、間をたゆたう心地です。どこにも身を置いていないから、体は軽くふわふわとしてとても気持ちが良いのでした。頭と体の境もなくなって、体が一つにまとまっている気がしました。しばらくこの感覚とはご無沙汰していた気がします。ゆっくりゆっくりどーんどーん、どこかで誰かの声がします。そういえば出発したばかりには、どこかから響く声も一緒でした。体がふわふわとしてブブは夢見心地です。空気と一緒になってしまったようでした。でもブブにはわかっていました。この感覚が長く続くはずはないのです。
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