ブブのながいはなし48
「あなたは誰なの?」思い切ってブブは聞いてみました。でも、なんの返事もありません。少しの沈黙のあと、「君は誰?」と声が飛んできました。「私はブブ。いま疲れているの」ブブは正直に答えます。「知ってるよ。君はステップを忘れて、体が動かなくなってる。さっきは別の木で休んでいただろう。そして幽霊に出会った。あれは俺の甥っ子さ」どこかから体に響く声はとても饒舌です。そしてブブにはどれひとつ飲み込めないのでした。「甥っ子?」ブブはいちばんの疑問を口にします。「俺たちは木だよ。君たちを何十年も、何百年も見守ってる。飽きないくらい面白いのさ」本当に饒舌です。ブブは、ホッとしました。幽霊は、ブブの頭の中で育った怪物ではなかったのです。「君は最初、木に語りかけた。だから俺らも語りかけたくなったのさ」木の精はなんでもかんでも教えてくれるのでした。