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ほんとうは永遠なんてない

悲しいことも嬉しいことも、永遠には続かないんだな、と思う

暗い気持ちの闇の中にいる時はその絶望の淵を探してしまう
まるでいつまで経っても冷たい暗い海から抜け出せない気がして、焦燥感に駆られて、早く逃げ出してしまいたいと思う
だけど暗闇の中でいくら目を凝らしても、海の端は見えなくてその沼は底なしに深く感じて、いつまでも絶望の中にいるんじゃないかと不安になる

そのくせ現実は突然終わりを迎える、あの時苦しんでいたのを嘲笑うみたいに

暖かい気持ちの日差しの下にいる時はその最後を信じられなくなる
まるでこの世界がずっとこのまま色づいていればいいのにと信じてやまなくて、ずっと続けばいいのにと期待する
この時間が永遠だって信じたくなる
だけどやんわり鈍くなった痛覚でどれだけ危険な光を見つけても、その痛みに気付けないままその予感を無視してしまう

そのくせ現実は必ず終わりを迎える、あの時の暖かみが嘘だったとでも言うみたいに


失恋した

曖昧で不安定で逃げ出したい関係性も、人生に色がついた瞬間抱いた期待も、全部同じ時間が永遠に続く気がしていた

いつまでもふたりならどんな不安な夜も越えられるような気がしていた

どちらからともなく突然連絡を取るのを止めて、たぶんお互いに終わりを予感していたんだと思う

連絡を絶って半年経って、本当にふと、あの人の影も形もないことに気付いた
もう半年たってようやく、終わったんだと自覚した、知らなかった

あの時は終わらないと呆れながらも期待していたあの時間も結局全部終わってしまうのね


この世には、永遠に続く気がする淡い期待や絶望の予感の中にしか、永遠は存在していないのかもしれない

永遠という言葉は存在するのに永遠なんて姿かたちは存在しないなんて、なんて皮肉だと思う

そのことに喜びも悲しみもしない、それは儚くもあり救いでもあるから

ただ、こうやってひとつずつ確かなものなんて存在しないことを知って、少しずつ期待しなくなる自分がさみしいだけ

今日はどんなお酒で夜を明けようか


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