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7/27 単行本『きらめきを落としても』刊行

 こんにちは。鯨井あめです。
 出ていった梅雨が帰ってきて、また出ていきました。通学路で体操服を忘れたことを思い出して、ダッシュで引き返してきた小学生みたいです。
 気が付けば八月も目前。いよいよ夏ですね。コロナに気を付けつつ、熱中症に気を付けつつ、食中毒に気を付けつつ……皆様ご自愛くださいませ。

 さて。
 本日は、新刊のお知らせです。


短編集『きらめきを落としても』刊行

 7/27に、短編集『きらめきを落としても』が刊行となりました。

7/27(水)発売の短編集『きらめきを落としても』の表紙の写真。 題名は銀の箔押し。表紙はイラストで、横断歩道を行き交う人々が俯瞰で描かれている。その人々に混ざって、短編集の登場人物たちがすれ違っている。イラストの線は柔らかく繊細で、色使いは淡く水彩的。あたたかなオレンジを基調としている。表紙の真ん中には白杖を持った白い半袖服の女性が、両目を閉じて笑みを浮かべており、その向かって右隣には黒猫が、さらに右隣には冬服の男性と女性が連れ立って歩いている。白杖を持った女性の向かって左下には、ヴァイオリンケースを背負った男性がいる。全員(猫以外)大学生。
『きらめきを落としても』表紙。講談社さまのtwitterよりお借りしました。

きらきらだったり、くすんでいたり。ときめきからもやもやからSFまで、まるで青春を万華鏡でのぞくような色とりどりの短編集。

【収録作】全6話
ブラックコーヒーを好きになるまで
人が好きなものは、嫌っておくのが楽なんだ。本とコーヒー、そして素直になれなかった僕の話。

上映が始まる
憧れだったはずの天文学。なのに怠けてばかりの僕。でもきっかけはやっぱり、星空の下から。

主人公ではない
世界には物語があふれている。今生きている物語の主人公が自分ではなかったとしたら……。

ボーイ・ミーツ・ガール・アゲイン
お人好しの僕が思いがけぬ一目惚れ。憧れのあの子へと続く道は、「僕らしさ」を探す旅路だった。


何事にも夢中になれない僕は、喩えるなら「不燃物」。自分の心は、何に、どうやって動くのだろう。

言わなかったこと
僕が小説を書かなくなったのは、あなたの作品に打ちのめされたから。なのに、いきなりやめるなんて。

講談社BOOK倶楽部より

 繊細かつ美しい線で表紙を描いてくださったのは、与さんtwitter)、装幀はいつもお世話になっております、岡本歌織(next door design)さんです。上図は表紙の画像のみですが、帯には書店員さんからいただいたキラキラ輝くコメントが掲載されています。

「心が動くスイッチをひとつずつ、ぱちんぱちんと点けてもらえた。はじまりを予感させる結末がとにかく秀逸!」
TSUTAYA中万々店・山中由貴さん

「物語と一緒に青春時代を過ごしているような読書体験。一文一文が心に沁みるようで、優しいパワーをいただけました!」
紀伊國屋書店福岡本店・宗岡敦子さん

「はずかしくなるくらいまっすぐなこの日々があるからこそ誰かを大切にできる未来がある。明日が、出会いが楽しみになる本。」
あおい書店(らくだ)富士店・鈴木裕里さん

『きらめきを落としても』帯コメント(講談社BOOK俱楽部の画像より引用)

 ありがとうございます。帯コメントは励みになります。
 また、今回は扉絵が付いています。小説現代に短編を掲載していただいた折、与さんの扉絵が短編とすごくマッチしていたので、「単行本にも扉絵を付けていただけませんか?」と担当さんに相談したところ、付けていただけました。各方面に感謝です。
 題名は銀の箔押しとなっています。このようなご時世なので、難しいところもあると思いますが、ぜひ実物をお手に取っていただけると嬉しいです。


『アイアムマイヒーロー!』重版とちょっとしたお知らせ

 昨年に刊行された『アイアムマイヒーロー!』が、ちょっとだけ重版しました。嬉しいです。

 また『きらめきを落としても』刊行に伴い、「不思議な体質」という掌編を書き下ろしました。「慣用句、ことわざ、故事成語が実際に身体に起こる」という話です。こちらは『きらめきを落としても』未収録ですが、twitter上に全文掲載されています。こちらからお読みいただけます。
 「不思議な体質」は、小説サイトに掲載していたものを元に書きました。元の掌編を気に入っていたため、新しい姿でお披露目できて嬉しいです。

 twitter上で、『きらめきを落としても』や既刊を並べてくださっている書店さんの写真をいくつも拝見しました。POPを作ってくださった書店さんも見かけて、その精巧さに驚きました。
 応援、しっかりと受け取りました。
 本当に、本当にありがとうございます。

 いろいろなことが立て続けに起こって、なかなか厳しい世の中ですが、『きらめきを落としても』がきらりと光る小さな楽しみになってくれたら嬉しいです。

 それでは、今回はこのあたりで。