生きてるだけでえらい?
生きてるだけで、えらい。
最近こんな言葉をよく聞く。私もこれには賛成だ。この生きづらい世の中で生きているだけでも充分頑張っている。
自分でそう思うことで、自分は頑張っているんだ、だからもっと頑張ろうと思えていたし、これで大丈夫なのだと思ていた。
だけど最近、その言葉の語尾に?がつくようになった。
朝井リョウさんの「死にがいを求めて生きているの」という作品を読んだ。
朝井リョウさんの作品はどれも、現代に生きてる人なら共感できるような心情の描写がとてもうまい。「死にがいを求めて生きているの」もそれに当てはまる。
こちらの作品の中で
「生きてるだけでいいんだよ」というセリフに対し、
「そう思える奴は生きる理由があるんだよ」と返すシーンがあった。
たしかに、そうかもしれない。
私も、生きてるだけでいいと思える今は小説や音楽、映画や心理学などたくさんの趣味がある。仕事も充実し、彼氏もいる。友達と遊ぶこともあるし家族と出かけることもある。
だから、仕事が出来なくなったとしても、彼氏と会えなくても、友達と遊ぶお金がなくても他のもので満たすことができる。それが生きる意味になっている。
だけど、前の私はどうだったか。
彼氏に依存し、友達と遊ぶこともなく家族とも険悪、趣味のひとつもなく学校は不登校。
そんな私は、「生きているだけでいい」だなんてさらさら思えるわけがなかったのだ。
だから、生きているだけで頑張っているのかもしれないが、それを他人に押し付けることはよくないのではないかと思い至った。