読書感想

椰月美智子 恋愛小説

忘れないうちに読書感想。書店員のレビューを読んで「今の私にとってこの本は絶対に面白い」という予感でいっぱいになり、その日、学校から一番近い大きな本屋に連絡し、閉店ギリギリに駆け込んで手に入れました。

序盤、予想していたより単調でした。買わんでもよかったかなと一瞬だけ思ったりしました。そう思っていたけれど、中盤あたりから完全にペースをつかまれ、後半はファミレス入って一気に読み終えてしまいました。結論。買ってよかったです。この先の人生で私は何度かこの本を読み返すと思います。大げさではなく本当に。

『しずかな日々』を中学か高校の頃に読んで、こういう本ってすてきだなと思って以来ずっと気になってる作家さんでした。子供の頃にこういうこと考えたなあと思い出させてくれた本です。

『恋愛小説』は椰月美智子の作品群の中でも異色の作品扱いされているけれど、私はあまりそうは思いません。物語は誰にでもありそうな出来事で溢れて、それでいて、どちらの作品にも「ああこういう事あったな」と思わずにはいられない描写がたいへん多い。私にとってはどちらも恐ろしく共感度の高い小説でした。

途中、正確に言えば物語を読んでいるのではない、物語を通して我が身を全身鏡で映し出されているのだと気付きました。

『この小説を読んでいる時にあなたの胸をよぎる様々な思いをゆめゆめ人に語ってはならない』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40491?page=3) 

本当にその通りだったと思います。

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