飾り気がなく、懐かしい、「ただいま」が似合うまち - 広島県尾道-
皆さんいかがお過ごしでしょうか。さいきんはまだ6月だというのに、ソフトクリームのごとく瞬殺で溶けてしまいそうに暑いですね。おかげで日陰しか歩けない芸人に成り果てています。
さておき今回は、 ”広島県尾道市” にフォーカスしてみましょうか。私は実家が岡山で、現在も岡山に住んでいますので、「ちょっくらお隣の広島さんと尾道さんに持っててよ、作りすぎちゃったから、肉じゃが」と母におつかい頼まれて行くくらいの距離感です。嘘ですけど。
去年2019年の9月に私、尾道に行きました。一言でいうと、「住みたい」です。このまちは、飾り気がなく、誰が来て去っていっても ”いい意味で干渉しない” という良さがありました。そういうまちって、移住しても生活しやすそうだと思いませんか?実際、尾道は ”空き家プロジェクト” と題して移住促進支援を行っています。この話はのちにしますが、今回は、旅行でフラッと行きたい尾道のアレコレを紹介していきます。
①パン屋航路 【パン屋】
⌂尾道市土堂1丁目3-31
定休日:Mon / Tue
URL: https://m.facebook.com/pages/category/Wholesale-Bakery/パン屋航路-1571256129768935/?locale2=ja_JP
(写真はパン屋航路facebookより引用しています)
まずはみんなだいすきパンです。さあグルテン祭りのはじまりです。店名の由来でもある小説『暗夜行路』志賀直哉著の舞台は広島県尾道らしいですヨ。さて、オープンすると同時に長蛇の列。5人入れば、ぎゅうぎゅう ”おしくらまんじゅう状態” の店内、身動きなんて取れません。トングを動かす肘より先に全集中して、労働過多を強いりましょう。次々に焼きあがるひとつひとつが宝石みたいにかわいくて、じゅるじゅるよだれが垂れそうに見た目からおいしいパンたち。いくつかトングでトレーに運べば、あっという間に1000円なんて超えちゃいます。けどいいんです、これからもずっと残り続けてほしいお店、また来たいと思える場所には惜しみなくお金を溶かしましょう。これはいわば推し活です。対象はアイドルや俳優でなくてもいいのです。私たち自身にとってそれらが推すべき対象だと思えるなら、何度も足を運べばいいし頑張って稼いだお金もそのために使えばいいのです。おいしいパンたちは海が見える日当たりのいい場所で座って食べましょう。写真には残らない味をしっかり記憶しましょう。
②キツネ雨 【純喫茶】
⌂尾道市久保2丁目11-17
定休日:Tue / Wed
URL: https://cafe-kitsuneame.jimdofree.com
(写真はキツネ雨の公式サイトより引用しています)
昔ながらの純喫茶特有の雰囲気・空気を肺いっぱいに吸い込みたい人におすすめ。固めのプリンと、サクランボが添えられた深い緑のクリームソーダ。クリソです、クリソ。いいよねクリソ、その略称のわかりやすさが。おばちゃんたちがつい口にしちゃう「レスカ」とかのわかりやすい略称あるよね。その単語耳にしただけで、恋人と待ち合わせはいつもの純喫茶、みたいにおばちゃんたちの甘酸っぱさのおすそわけしてもらったみたいで、なんだかめっちゃくちゃすきなんです。わかる人いますかね、いたらうれしいな。キツネ雨のはなまるポイントは、お皿ひとつひとつがキュートなとっころ!金魚鉢を彷彿とさせるふわふわのレースみたいなグラス。おばあちゃんちに行ったときに出してくれる特別な日のティーカップとお皿。ぜひ大正ロマンの空気に迷い込んでみてください。
③おやつとやまねこ 【洋菓子店】
⌂尾道市東御所町3-1
定休日:Mon
URL: https://www.ittoku-go.com/oyatsu/01.html
(写真はおやつとやまねこの公式Instagramより引用しています)
ここは!!!!とにかく!!!!プリンです!!もう一度言います、ここはにきたならプリンです!!!!!ガラス瓶に入ったプリンってなんであんなに特別感とおいしさが増すのか。不思議。どっかの大学教授に研究して論文出してほしいレベル。なんにしてもガラス瓶って最高の入れ物だとおもう。発明した先人は間違いなく天才よ。STAP細胞は無くても、ガラス瓶はあります。ガラス瓶は後世に残していくべき代物です。銭湯をでた後のコーヒー牛乳、ハンバーガー屋の辛口ジンジャーエール、駄菓子屋のハイシー。そう、おやつとやまねこのプリンは!!なんと!!瓶にはいってます!!まあそんなに珍しいことでもないですが。面白いのは、魚型のプラスチック醤油さしにレモン果汁が入ってプリンに添えられているところ。尾道の名産”レモン”と、ヤマネコの好物”サカナ”というわけ。味変ってめちゃくちゃ最高のスパイスですよね~~~~。一風堂でいうところの赤丸辛味噌、いきなりステーキでいうところのワサビ。プリンとレモンの相性が良いことは間違いなしですが、その爽やかさは実際食べて味わってみてください。あ。プリン以外にもひやしあめやらマフィンやらありますよ。どことなく懐かしいスイーツに癒されてみてはどうですか。
④上田玩具店 【雑貨屋】
⌂尾道市土堂1丁目3
定休日:不明
キナリノ愛読してる好きな人は絶対好き、MHL.が爆裂変な売れ方する前からマーガレットハウエル身に着けてた人は絶対好き。まあ保証はしませんが。 ”丁寧なくらし” ということばは、なんだか独り歩きしている気もしますが、私は好きですよ、丁寧な暮らし。お皿やカトラリー、タオルなど自分が楽しいと思えて、気分がウキウキするものを毎日使って、ちいさなしあわせに目を向ける。そういう ”ちいさなこと” に目を向けられるってことは、実はぜんぜん ”ちいさなこと” なんかではなくて ”豊かなこと” だと私は思います。自分の機嫌は自分で取ればいいし、自分の生活が楽しくなるためならなんだってすればいいし、それで自分のことをちょっとでも好きになれるのなら、はなまる百点だと思いませんか?それは決して自己満足でも、逃避でもないです。それを馬鹿にして小言を言うやつらはもれなくハゲますからだいじょうぶです。だって、頭皮ですから。自分のたいせつ、しあわせ、くらし、は自分で見つけていきましょ。それを始めるために背中を押してくれるような雑貨屋さんです。ちなみに店主さんはさっぱりした女性の方で、奥のほうに「いたのかッッ・・・」てかんじにひっそり座っていらっしゃいます。びびります。
⑤紙片 【本屋】
⌂尾道市土堂2丁目4-9
定休日:Thu
URL: https://shihenonomichi.wixsite.com/home
場所的には ”あなごのねどこ“ というゲストハウス兼カフェの奥の奥。見つけにくさナンバーワン。見つけた時の感動度ナンバーワン。
(写真は瀬戸内Finderから引用しています)
ぽつんぽつんと耳心地のいい、音楽というより自然そのものに近い ”音” が店内には漂い、一歩足を踏み入れた瞬間から「どこかに迷いこんでしまった」かのように錯覚する。幼い頃に読んだ絵本に出てくる、サーカスの簡易テント。少しくすんだ使用感のあるキナリノの布。そこでたった今自分は、鬼ごっこをしていたかのような。 ”日常” という ”鬼” から逃げて、迷い込んでしまったかのような。どこからともなく漂う、どこか懐かしい匂いを肺いっぱいに吸い込みます。床は砂利が敷かれていたり、コンクリート打ちだったりして、客が歩きその微かな音が立つこともまた ”紙片” を形づくっていく要素であるように思えます。山の奥にすっと現れる神社とか、湖畔に建つちょっとしたカフェとか、なぜか一歩足を踏み入れると「空気が変わったな」と感じることないですか?それは時に不気味でさえあります。紙片はまさにその類いで、「お邪魔いたします」と心の中で思わず発してしまう、それが必然のような気がしてならないお店です。店内に置かれている本のジャンルは様々で、タイトルでも佇まいでも、その本が放つオーラでも、個々の自由で手に取ることが存分にゆるされています。記憶のタイムスリップのような体験をしに、ぜひ足を運んでみてください。
⑥LOG 【ホテル・宿】
⌂尾道市東土堂町11-12
URL: https://l-og.jp
(写真はLOGの公式サイトから引用しています)
洗練された家具と空気感、無駄がないけれど、その分宿泊者がそれぞれに持ち込む ”無駄を楽しむ余地” を持った異空間。けれど居心地のよさは抜群。床、壁、天井には和紙が張られ「繭に優しく包み込まれる」イメージのもと、感触や自然光、個々人にとっての時間の流れを大切にしているホテルだ。最近は某ホテルの様に「やすく泊まれればオッケー」をモットーに全室代わり映えのない、無機質なベッドとテレビ、弁当のなかでスパゲッティの下に敷かれたレタスのような家具が気持ち程度あるばかりだ。私もそういったホテルには ”金銭的に貧窮” しているときはお世話になる。しかし、旅行というのは日常から離れたものであり、かつ日常に寄り添ったものであるべきである。そのところにおけるLOGは、その両方を兼ね備えたホテルと言える。旅行に出かける際(私の場合だが)、 ”精神的に貧窮” している場合が多い。会社での激務に疲れた人、田舎の濃い人間関係に疲れた人、理由はさまざまではあるが、旅行に何かしらの ”解放” を求めてくる人は少なくないんじゃないだろうか?だからこそ、旅行の中で一番滞在時間が長く ”要“ ともいえる「宿・ホテル」選びに、みんなもっっっっっっっと目を凝らしてみてもいいんじゃないだろうか。社会人が過ごす一日の中で、一番占める割合が多いのは「仕事」だという。だからこそ「やりたいことをやれ、すきな仕事をしろ」と言う。それは理想ではある。まあ、そんなに甘くいかないのが世の中ではあるが、すこし手が届きにくい理想選びともいえる。その話はまたのちにするとして。一方で宿選びは「手が届く ”理想選び” 」と言えると思う。宿は本当におもしろい。幼いころ、おばあちゃんちや友達の家に遊びに行って泊まるときに、自分の家とは異なる ”勝手” や ”同線” に戸惑いながらも、物凄くわくわくしたことが記憶にあるだろう。私たちは戸惑いながらも、「一時だから」という条件付きで変化や疑似体験を楽しむのが大好きな生き物なのだ。きっと。だからこそ、そのときのような ”わくわく” や ”解放” の記憶を旅行における宿選びにおいて存分に発揮すべきだ。そうすればきっと、あなたにとっての旅行はもっともっと実りあるものになるはずだ。
さいごに
さてさて〜どうでしたか、尾道に行きたくなりましたか〜。私は行きたくなりました。早く海見て、風に髪巻き上げられて、海の匂いを飽きるほど鼻にしたいです。それではまたね。
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