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わたしの、いるところ
私は今まで、いろんな者になってきた。
こっちの方向か、と思えば歩いて行って
どんどん、どんどん歩いて、やがてそこに到達する。
足跡を見て満足し、これがワタシと安堵した。
しばらくして、ぬるい風が吹いてきて
また私は別の方向を掴んでしまう。
どんどん、どんどん歩いては、
やっぱりそこにも到達する。
そこここにワタシの跡が残り
振り返ればすべての砂漠は美しく、乾いている。
いくつもの砂の山を越えてみて気づいたのは
終わりではなく、永遠だった。
この歩みはずっと続くのだろう
この風はまたいつか吹くのだろう
私はもう到達することを目指すのをやめた。
曖昧な安堵を抱くのも。
何かを成したと思っても、
それはいつも変化の途中であり
あらゆるプロセスの一部なのだ。
風はいつも吹いていて
つづく砂漠はすべて美しい。
ほら、
目の前を横切る小さな鳥を
なんと形容しよう?
今日、私が居るところはどこなんだろう。
それでも信じるものは
ただ、この胸の高鳴りだけでいい。
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