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イチゴ大福
切り餅を電子レンジで溶かして、次女と一緒にイチゴ大福を作った。
豆乳で伸ばし、お砂糖を加え、ツヤツヤに煮た黒豆も入れて片栗粉で成形。
あんこは粒あんにして、最後に大福に切り目を入れてイチゴを乗せた。
家庭科というより、まるで工作の時間みたい。
服も顔もなぜか粉だらけになりながら、手作りが楽しくてどんどん作ってしまう。
なんということのない、小さなこういう時間を、いつも大事にしたいと思って、娘たちと重ねてきた。
何かモヤモヤするような事が起こった時には、こんな工作のような時間を過ごしたことを思い出す。私にとっての傷薬みたいな記憶たち。
小さな楽しいことの寄せ集めが、幸せなんじゃないかと思う。
理想の大きなカタチを実現することだけが人にとってゴールではなく、いわゆる成功とか勝つとか、そういうことでもない気がする。
ただ毎朝目を覚まして、その日を懸命に過ごし、そして誰かの、何かの、良い空気をつかまえてみる。
その時を、目に耳に刻む。
そうしていたらきっと、自分も誰かの幸せの素になっている瞬間があるかもしれない。
人生におけるあらゆる目標なんて、見栄えは立派でも、本当は取るに足らなくて。
たぶん大福に最後に乗っけるイチゴみたいなものだ。
大きすぎても不恰好だし、甘すぎるブランド苺では大福とのバランスもイマイチ。
イチゴが乗っかる前に、切り餅を溶かして、粉だらけになる、楽しくも疲れる時間を生きるのだ。
だから。今日もお疲れさま。
さあ、イチゴ大福でも召し上がれ。
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