料理と日常
フードライターのナイジェル・スレーターのレシピで、鶏肉のパテをオリジナルマヨソースで作った。
挽肉に、パルメザンチーズを繋ぎに使って、卵は入れない。パテ自体はいたってシンプル。
生のタイムをみじん切りにして、たくさん入れてみたら香りも良く愉しい。
ソースは、卵黄をオリーブオイルと一緒にトロトロに泡だてて、ハチミツを1滴、レモン汁とディジョンマスタードを少々、ミントとバジルをたくさん刻んで入れた。
美味しいものは、素材の良し悪しとか、彩りがどうのとか取り沙汰されることが多いけれど、私は意外に本体(?)だけでなくソースの味が決め手なのでは、と思っている。
これは、ファストフードのハンバーガーを数種類食べていて気づいた点。ソースの味にちょっとした工夫がみられる気がしていたのだ。
レストランなどのサラダも同じ。
野菜の素材としてのシャキシャキした歯ごたえや、濃い味や色が基本だとしたら、それ以上にドレッシングに工夫があると、やみつきサラダとして美味しくなる。
私の料理の先生は20年前からイギリスの料理番組。
テレビのBSやCSでやっていた、超オシャレで簡単で、体に良さそうな料理の数々に魅せられた。
ナイジェルを始め、女性のナイジェラ・ローソン、ジェイミー・オリバーなど、彼らの自宅で料理を教わっているような、あの設定と雰囲気、カメラワークが素晴らしいのだ。
ウィットに富んだ語りも、近くで一緒にお喋りしている感じがとてもアットホーム。
覚えたレシピを応用したりして、繰り返す単調な家事としての毎日の料理が、とても楽しいものになった。
料理とは人間の健康を司るだけではない。病気にならないためだけに食べるわけではない。(逆に自暴自棄的に、美味しければいいというものでもないとは思う)
それは全て不安からくる衝動のようなものだ。
料理とは一回一回が創作でアートで、同時に、美味しく食べることも含めて無意識的とも言えるほどの日常なのだと思い出させる。