【経営者インタビュー:過去・現在編】CTO/COO松原さん
こんにちは。株式会社AMDlab採用担当の加賀美早希です。今日はCTO/COOの松原さんへのインタビューです!松原さんは、神戸大学大学院を卒業後、安井建築設計事務所で建築設計者として勤務。2019年1月に大学の同級生だった藤井さん(現CEO)と共にAMDlabを設立されました。
今日は普段寡黙な松原さんのお考えを、根掘り葉掘り聞かせていただきますので是非ご一読ください。質問内容は、昨日投稿したCEO藤井さんへのものと同様です。お二人の共通点・相違点を探しながら読んでいただくのも面白いかと思います…!
①AMDlabは建築業界のDX推進を行うIT企業ですが、松原さんは建築設計業界出身ですよね?ITの知識はいつごろからお持ちだったのでしょうか?
建築設計から離れて、IT企業の経営をしていくことに不安はなかったんでしょうか?
ITの知識自体は大学時代から身につけ始めました。当時processingというiTuneの音楽がかかる時にでていたビジュアルエフェクトなどをつくることができるツールが建築学科で話題になっていたこともあり、それでかなり遊んでいましたね。留学した際も、向こうではBIMやプログラミングの授業があり、そこでITの土台ができあがったとは思っています。
実際に扱えるようになったのは、社会人になってからですね。建築設計事務所に居たときも、まぁ面倒だと思う作業が多くあり、それをスクリプトやプラグインを作って簡単にしたり、それらを社内展開して改修したりもしてみていたので、そこが実務ITの本当のスタートラインだったのだと思います。ただ、そこまではやはり独学でしかなく、ちゃんとした知識が付いたのはITのスタートアップに転職してからです。転職して日々知らない知識が舞い込んできては、それまでの知識は氷山の一角だったのだと実感しました。その会社は技術的にも難しいことをしていたというのも大きかったですね。かなり深掘りしないとできないことばかりでしたから。
ITの企業を経営することへの不安はありましたね。作るところはやってましたが、その前段部分は経験したことがなかったので。起業したときは、要件定義にどんな資料がいるのか、どうすすめるのか、単価はどのぐらいにするものなのか、体制はどうするのか、コンサルやSIerの知人にいろいろと教えを乞いながらながら仕事を回してました。
②2019年の設立から3年半会社を経営してきて、一番うまくいったと思うこと、失敗だったと思うことは何ですか?また、その失敗が現在どのようなところにいかされていますか?
1番うまくいったと思っているのは、利益0でもビル管理の開発を取りにいったというところですかね?某ビルの管理会社さんとBIMを使ったビルの管理システムをつくっていたのですが、別のシステムのリプレイスもしたいという話があり、今作っているシステム上にそのシステムも載せる提案をしました。BIMをつかったシステムは、世間で言われてるほど実用的なものではなく、正直、今回つくったものもほぼ使われないままになってしまうのではないか(多く眠りについたシステムを見てきました)…という不安がありました。だけど、システムのリプレイスであれば、既に社内で運用されているわけなので、それを統合できたのならば、ちゃんと使われるものにできると考え、きっとそれはお客にとっていいことだと、予算的に、利益0の案件とはなったのですが踏み込んで受注しました。そのおかげもあり、お客さんの会社としても現在は主要なプロジェクトとして扱われるような大きな案件にすることができました。良いシステムにしていけるよう今後も頑張っていきたいです。
1番失敗したなと思っているのは、某プロジェクトでの見積を出すタイミングを見誤った件ですかね。初めての会社さんから依頼がある時は、可能な限り最初コンサルや要件定義という期間を持たせてもらってから進めるのですが、稟議にださなければならない、年間予算とるのに必要だということで、全体の見積をいきなり出さざるを得ないことがあります。その時は、最初の資料から想像して、この工数内でやりますよー、超えたら別途相談と言う形で出すのですが、そうやって出したものの、話を聞いていくと、値段が数桁違う規模のプロジェクトじゃないかというのが見えてきて、向こうは見積ぐらいの値段でいけると思ってしまっているし、別途相談どころじゃないということで、いろいろ苦労するやりとりがでてしまった、という経験が1番失敗したなと思ってるものですね。
まだ、活かせてないですが次新規お客さんからの話があった際には、見積出すまでのMTGをもっと増やして認識のずれを減らさないとなとは思っています。
③会社設立当初と現在で、何か気持ちの変化はありますか?
当初はとりえあえず人助けできればという思考でしたが、いろんなものを見てきて、日本全体をよくしていかないと…という思いに変わりましたね。
④経営戦略や人事、現場での仕事まで幅広くこなされている松原さん、日々ご多忙かと思いますが、松原さんを突き動かす原動力はなんですか?
僕の原動力は、もどかしさですかね。
何でこの紙にもこの紙にも同じ氏名と住所書かなければならないのだろうとか、何であの人の方が働いてるのにこの人の方がお金もらっているだろうとか、何でこの案件特定の会社にしか声がかかってないのだろうとか、そういう「むむむ」ってなることに対して、こうしたら良いのにとか、こうすれば皆が幸せになるのでは?とかそういうもどかしさを形にしたいという衝動が僕の原動力なんじゃないかなと思ってます。
あとは、自分が属しているコミュニティを守りたいとか勝たせたいとかそんな原動力が心の奥底にあるんだなぁというのは最近思ったことです。昔の村みたいな人間ですね。自分の出身地である福井は思わず応援しちゃいますし、開発のチームが理不尽にさらされていたら顧客とも戦いますし、とはいえお客も僕のコミュニティであるのでお客が困っていれば併走しますし、果ては日本のGDPもあげたいと思っているのは、多分そんな原動力なのかなと。
⑤最近社員の働きで、「これは褒めたい!」と思ったものはありますか?
僕なんぞが人を褒めるなんて、そんなそんな、感謝はしてます。
自分がマネジメントして社員にやってもらうことが普通だったのですが、最近は社員に任せられるところも多くなってきて自身の負担がかなり減ってきているのを実感してます。なので、そういう部分での感謝は絶えないですね。
⑥今期の会社の目標を教えてください。また、その目標実現のためにどのようなことに取り組まれていますか?
今期の目標は、会社として整備しきるというところです。
今進めている自社のサービスはリリースできる状態までもっていき、開発のチームもチームとして機能するところまで昇華させたいなと思っています。
また、人事評価なども、これまでなかったですが策定して運用出来る準備をしたり、Webサイトなども改めて会社のやっていることが伝わるようにしたり、各事業についてもしっかりした計画を立てて外部の方に説明できるようにしたり、なぁなぁでこれまで済んできた部分をしっかり作り上げていきたいと考えています。
一方で、スタートアップらしさというか、弊社らしさというか、ある種の「ゆるさ」がそのせいで消えてしまうと生きづらい会社になってしまうんじゃないかなという懸念もあり、そのあたりのバランスをうまくみていかないとな…という思いもあるんですけどね。
それでも、来年外部への「攻め」を考えている以上、今年会社としての土台をつくりあげる、それが目標になりますね。
お忙しい中ご回答有難うございました!こんなにじっくり松原さんのお考えを聞いたのは私自身初めてでしたが、どういったものを見て日本全体を良くしていきたいと思われたのか、そのためにどういった事業を展開していきたいのか等、気になることが既に湧いて出てきております…!気になる会社の未来については後日インタビュー記事を投稿予定です。お楽しみに!
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