がんばって料理をしていたあの頃
夫といっしょに住み始めたころは
毎日料理を作っていた。
朝の通勤電車の中でレシピを検索し、
足りない材料をメモした。
帰りは一目散で駅に向かい、
疲れていても毎日スーパーに寄って買い出し。
家に着いてからは
座ってしまうと動きたくなくなるから、
座らずにレシピをスマホで開きながら、
一生懸命に料理をしていた。
主菜一品と、副菜二品。
そしてお味噌汁。
毎日違うメニューを心がけて、
肉と魚がバランスよく一週間に収まるように。
夫の帰りが遅いと
料理が冷めるからとがっかりして、
時には怒ったり、
うまく作れなかったときはひとりで落ち込んだりしていた。
今思うと、よくがんばっていたな、と感じる。
それから数年経ち、
夫はごはんとお味噌汁と納豆とキムチがあれば
それだけで満足する人だということを知った。
手が込んだ料理をしなきゃと思い込んでいたのは
わたしだけだったみたいだ。
今は家にあるたくさんの野菜を入れたお味噌汁をたっぷり作って、
おいしいお米で炊いたごはんと
おいしいお気に入りの納豆を食べる生活になった。
気が向いたら主菜は作るけど、
疲れているときは無理をしないことにした。
そしたら、夫の帰りが遅くても
いらいらしなくなった。
あの頃より、
もっと楽しく過ごせているような気がする。
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