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寝台列車に乗って出雲・松江へ行く旅 4日目

島根旅行4日目。前日は下記。

今日は朝から湖畔にある素敵な喫茶店を目指す。
松江駅前からバスに乗って福祉センター前へ。

レトロな内装のバスに当たった

福祉センター前で降りてから、湖畔を1.3kmほど歩いていく。
路側帯を歩かされる覚悟をしていたがなんと歩道が整備されており、湖からの風もあって非常に歩きやすかった。

9:30頃 好ロケーションの踏切

「珈琲館 湖北店」へ到着。
着いたばかりだが、既にこの店に携わる全ての人々へ感謝が止まらない。ロケーションからしてもう夢みたいな場所なのだ。

おそらく9時開店で入った客が出たタイミングで着いたので、良い席が空いていて嬉しかった。

朝食メニューのトーストセット
胡瓜の入っていないポテサラが嬉しい

こういう出され方のゆで卵とどう向き合うべきか分からずググったところ、スプーンでしばいて殻にヒビを入れ、後は手で剥けば良いということが分かった。

来た道を戻って、松江しんじ湖温泉駅からバスに乗って堀川めぐりの舟の発着所へ。
ここから舟に乗って松江城周りの堀とそこに接続している川を巡るコースを一時間ほどかけて一周する。
他に乗る人がおらず、私一人の貸切になった。
水の上を走っていると涼しく快適だ。

進行方向を向いている私に後ろから船頭のおじさんが色々説明してくれるので、なるべく上半身全体で頷くようにして参加の姿勢を見せた。

低い橋の下を通る時は屋根を下ろすので、乗客も這いつくばって頭を垂れる必要がある。
ゲームのイベントシーン中に挟まるQTEみたいな雰囲気があってちょっと楽しい。

12:25 松江城が見える
鳥に会うことも

ぼっちクルーズだったので(不人気なのかな)と失礼なことを考えていたが、元の船着場に戻る直前にすれ違った舟はほぼ満席になっていた。
向こうの船頭さんに「あっちは貸切ですねぇ」とネタにされているのが聞こえてきたので、一応テヘヘという顔をしておいた。

船着場から5分ほど歩いて「八雲庵」という人気店で蕎麦を食べる。
ここは店員さんが物凄い早足で動き回っており、注文するために(あの人って店員かな)と最低限の確認をする1秒の間に既に視界から消えているほどのスピード感だったので面白かった。

五色割子そば。美味しかった。

それにしても夏らしく良い天気なので、こんな日は船をはしごするに限る。
20分ほど歩いて宍道湖遊覧船第2乗り場へ。
一応言っておくと良い天気というのは見た目の話であり、暑さの点では本当に終わっている。
汗をかくのも気持ち良いとか死んでも言わない。
顔だけは良いカスみたいな天候だ。

14:05発の便に乗船

乗客は私を含めて3組4名だった。
船長の帽子が異常に似合っている船長さんの導きで船は宍道湖へ向かう。
船の中では飲み物の販売もあるので、同じ場所から乗った女性は昼間からビールをいっていた。

橋の向こうに見えるのは日本最古の木造時計台

今日は本当に空の表情が良く見応えがあった。
涼しい船内で、ガイド音声を聞きながら景色を楽しむ。

嫁ヶ島は宍道湖のシンボル的存在

下船後、「お団子と甘味喫茶 月ヶ瀬」でお茶。
団子のメニューに「不昧公」というのがあり、(まずい…のか…?)と一瞬空目したが、調べると「ふまいこう」という読み仮名が出てきた。
かなりありがちな空目のようで、「まずいこう」と検索してもGoogleは正しい読みを教えてくれる。

お団子2本付きの煎茶セット

店を出ると外は土砂降りになっていた。
松江城方面に歩き、天守閣近くの興雲閣という建物を少し見学。

ここを見終わる頃には分厚い雨雲は過ぎ去っており、天気雨みたいな状態になっていた。
すぐ隣の松江神社がたいへん神々しい雰囲気に見えたので、予定に無かったがお詣り。

続いて松江城天守閣を見学。
この中は階段が急なので、足首の柔軟性に自信が無い人は覚悟しておいた方が良い。
市街地の中で一番高いところにあるので、眺望は抜群。

この後はベタに物産館を物色する予定だったが閉まっていたので、大手前広場から17時に出る堀川めぐりの最終便を移動に使うことにした。
堀川めぐりの舟券は1日乗船券なので、このようにフラッと乗ることもできる。

途中下船する関係でまた先頭のベスポジに

今回の船頭さんは女性の方で、乗客は私の他に二人連れが二組いた。
気持ちは二周目プレイヤーなので心の中で他の客に先輩風を吹かせていたが、一雨降ったのと午後の光の効果で初回乗船時の風景よりもかなり綺麗に見えて感動した。

この堀川めぐり、船頭さんによってある程度の色の違いはあり、今回の人は一番狭い橋をくぐる際
「多少ぶつかるのはご愛嬌だと思ってください」と宣告しながらズリィィ!と壁を擦っていたので、最初の舟の人は運転上手な方だったのかなと思った。
また、今回の人はちょっと長めに橋の下をくぐる時にかかるエコーを利用して歌(激上手)を披露してくれたのが楽しかった。

カラコロ広場で下船。そこからすぐの場所にある「珈琲館 京店店」に入る。
ここも朝の喫茶店と同じ系列の店で、たまらない雰囲気を醸し出している。

サントスコーヒー

良い感じに陽が傾いてきたので、旅の最後に夕日を見届けるために再び島根県立美術館へ。

夕日が見られる日にだけオープンする宍道湖サンセットカフェも営業中。

サンセットマンゴーティーソーダ

座って湖上に夕陽が沈むのをただ眺める。
そういう人が何人も集まっているのを見ながら、松江、いい街だな…としみじみ思った。

時刻は18:40。ここから大急ぎで松江駅へ戻り、19:26発のサンライズ出雲に乗車する。

駅前のコンビニで氷と最低限の食料を調達したが、いい感じの弁当を見つけられず夕食抜きとなることが確定。これがまさかの正解だった。
部屋に入って数分も立たずにめちゃくちゃ気持ち悪くなってきたのだ。
———そう、ここは喫煙車両。

シングル寝台
ちゃっかりシャワーカードは入手

疲労のせいで揺れが響くのかなと思っていたが、違う。臭いだ。
私は煙草を吸わないが、喫煙可の店でバイト経験があり古めの喫茶店に行く趣味もあるので、臭いには耐性があると思っていた。
しかし揺れる密室の中で嗅ぐ副流煙は一味違う。
一過性の臭いではなく、仄かな違和感から始まり数時間に渡ってゆっくりと鼻腔を侵食し、止んでも記憶として残留し続ける。
助けてP&G…!

一応買っておいたクルマ用ファブリーズ

こうして風上側に頭を向けて寝転べば臭いは軽減されたが、記憶として植え付けられたとしか思えない臭いが断続的に蘇り、「タスケテ…」と思いながら入眠した。
行きのサンライズのラウンジで寝ていた人を密航者だと思っていたが、今思うと喫煙車かノビノビ座席で臭いが耐えられなかった人達なのかも…

時々目が覚めたがトータル4.5時間くらいは寝て、起きると静岡県を走っていた。

食欲は無いが理性で朝食を食べる

シャワーを浴びるために車両を移動。

数分待ったが空かなかったので、もう一箇所のシャワーへ。髪を洗う猶予は無かったがなんとなくさっぱり。

起きた喫煙者が再び活動を始めたのか、また部屋の臭いがしんどくなり始めたので、早めに下車スタンバイ。

人身事故で遅延したものの無事横浜に到着。
主に最後に色々あったが思いがけず天候やタイミングに恵まれて充実した旅になった。

特に松江の美術館周辺の雰囲気が良すぎて、安易に(宍道湖畔で暮らしたい、、、)と思ったが、宍道湖周辺は窓を開けていると小さな虫が大量に入ってくるらしいので悩みどころだ。


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