Unity1Weekで逆マインスイーパーを作った

【完成したゲーム】

【初めに】
この記事はUnity 1Week GAME JAMにてお題「あける」が出題されてから完成までの略歴を簡単にまとめ、共有・備忘する記事になります。

【ディレクション】
いつもならかなり時間のかかる部分ですが今回はお題があるので比較的スムーズでした。とはいっても素直に進むはずもなく、当初は2Dアクションゲームで考えていましたが必要な技術レベルも時間的リソースも不十分で難航を極めていました。
そこである人から「この祭りはボリュームじゃなくてアイデアで競うものなんじゃないの?」と言われて目が覚めました。そこで、おなじ人の弁である「マインスイーパーって面白いのに似たゲームで面白いものないよね」によってマインスイーパーを作ることになりました。

【プランニング】
しかし、ただマインスイーパーをコピーするだけでは作っても遊んでも面白くないのは自明でした。そこで、今回は爆弾を宝物に置き換えてそれを見つけてもらうゲームにすることにしたわけです。その面白さを引き出すために宝物の個数は少なめにして、マスの数字が表す範囲を広くして…などの様々な変更を行いました。しかしそれだけではどうしてもマインスイーパーのコピーからは抜け出せませんでした。
そこで、私が普段から心がけているゲームのプラニング方法に遊びを分解して再構成するというものがあるのですが、今回はそれを短期間で行ってゲームをキャラクタライズすることにしました。
〈遊びを分解する〉
マインスイーパーで面白い要素は何かと考えた時に、思いついたのが『ルールベースなのにランダム性が高い』という点でした。
この性質はスコアを競う上で繰り返しプレイすることにストレスを感じにくくする効果があると思います。他のゲームでは重力四川省(リンク付き)などがありますね。ランキング機能が搭載しやすいunityroomではこの性質を伸ばすことがとても合理的だと感じました。
そこで実装したのがアイテム要素です。宝物探しであることを利用してプレイヤーを強化する宝物を用意しました。実際に遊んでいただくとマインスイーパーにローグライト要素が組み合わさり新しい遊びになっているのが感じられると思います。

【デザイン】
ドット絵にして開発スピードを上げることは初めから決めていましたが、それでもどこに重点を置いて開発をするかは重要な要素です(短期間開発にかぎらず)。今回は『快感をデザインする』という点を意識しました。パズルゲームは報酬が抽象的になってしまいやすく、プレイヤーにゲームらしい体験を供給しきれないことが多いです。そこで報酬の獲得の際にデザイン面でのフィードバックを意識的に増やしてプレイヤーの報酬系に働きかけることにしました。例えばツルハシ(宝物を開いた時に周りのマスも同時に開く)アイテムではあえて周囲のマスが開くまでのインターバルを入れています。そうすることでもしも宝物が連鎖して開いた際にリズムよく宝物の出現音が聞こえるようになり、連鎖の快感を耳からも得られるようにしています。この快感はみなさんおなじみの『ぷよぷよ』で得られるものと同じなのでもはや説明不要ですよね。

【マスタリング】
最後に行う過程、マスタリングですがここではプレイヤーの導線を考えて遊びの外側から体験を支援することに力を入れました。このゲームはランキングを導入しており、それ自体「もっと上手くなりたい」という気持ちを増幅する意図があります。しかし残念ながらそれはトップ層のみにしか働かず、クリアもできない一般プレイヤーは蚊帳の外に置かれてしまいます。そこを解決すべく今回はクリア成功失敗に関わらずプレイイングに応じたランクがつくようにしています。どのランクも(概ね)不快感を感じることはなくプレイヤーのスキルの成長のフィードバックとモチベーションのサポートを行えるようになっています。自分の作ったゲームの難易度は過小評価してしまいがちなので、このようなマスタリングは必ず行うようにします。

【まとめ】
以上で簡単に記事にいたしました。もしも1Weekでどこかのカテゴリで3位以内に入賞したらこの記事もアップグレードしてアプリ版も出す予定です。
まだやっていない人は(ここまで読んだ時点で99%遊んでいるだろうけども)遊んでみてくださいね。

AMay