世界は歪に、それでいて美しく繋がりたがっている-ノクターン ジェネバ機構-
ジェネバ機構(ジェネバきこう、Geneva drive、Maltese cross)は、連続回転運動を断続回転に変換する機構である。Wikipedia より
誰しも生まれながらに、誰かに影響を与えている。
その良し悪しはともかくとして誰にも影響を与えずに死んでいく命はない。
ノクターン ジェネバ機構はそんなひとりのひとの想いを綴った曲だと感じた。
恋ではない。それは”音楽”に対する嫉妬であり”君”に対する純粋な想いだ。
“僕”は音楽を通じて”君”に影響を与えたかったのだ。それは連続回転運動を断続回転に変換するジェネバ機構のように、そのままは伝わらない。
じょぶずさんはそこに、世界の歪さと愛おしさを込めたのだろう。
僕は最初この曲を聴いた時、自分勝手な曲だなと思った。
なぜなら”君が好きな音楽”が嫌いな”僕”はその音楽で”君”に影響しようとしているのだから。
けれど人間はエゴを孕む生き物で、それは時に愛として語られる。
それを受け取るか、受け取らないかの話なのだ。
空に投げた花束を踏みつけにするように、受け取らないのもあなた次第。
このジェネバ機構という曲は世界という美しく不完全なものを歌った紛れもなく名曲だ。
あまやどり