見出し画像

いざよいとこぞめ

いざよい――それは満月の翌日、少しだけ欠け始めた十六夜(いざよい)の月を指します。その控えめな輝きは、満ち足りたものが新たな形へと移り変わる瞬間を映し出しているようです。

夜の散歩中にふと空を見上げると、いざよいの月が静かに輝いていました。満月の華やかさとはまた違う、その穏やかな光に心が引き寄せられました。まるで、自分自身の中で少しずつ変化していく何かをそっと照らしてくれているような気がしたのです。

こぞめ――木々が初めて色づき始める季節を意味します。夏の深い緑が徐々に赤や黄に染まり始めるその瞬間は、自然が新しい装いを纏い始めるサインでもあります。

休日に公園を訪れると、葉先がほんのり色づいた木々が目に留まりました。こぞめの季節がやってきたんだな、と心が温かくなりました。変化の兆しはいつも静かに、しかし確実に訪れるものですね。

ケルト神話には「三相の女神」という物語があります。女神は三つの姿を持ち、それぞれ乙女(メイデン)、母(マザー)、老女(クローネ)と呼ばれます。乙女は新たな始まりや希望、母は成熟や豊かさ、老女は知恵や内省を象徴し、月の満ち欠けや季節の移ろいと深く結びついています。

様々な変化の中で日々を過ごし、多くの役割や期待に応えながら、自分らしさを模索している。いざよいの月やこぞめの季節は、そんなあなたにそっと寄り添い、新しい一歩を踏み出す勇気を与えてくれる存在かもしれません。

変化は時に不安や戸惑いを伴いますが、それは新たな可能性の始まりでもあります。満ちては欠ける月のリズムのように、私たちの人生もまたサイクルを繰り返しています。そのリズムに身を委ね、自分自身のペースで歩んでいくことが大切なのではないでしょうか。

いざよいの月の下で、こぞめの木々を眺めながら、自分の内側にある変化や成長を感じてみてください。きっと、新しい季節があなたに素敵な彩りをもたらしてくれるはずです。

これからも、自分らしい歩幅で前に進んでいきましょう。

いいなと思ったら応援しよう!