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仰ぎ見る春の青い空

子供のころは空が高かった。

なんて言うけれど、あれは空だけじゃなく、色々なものが高かったからだと思う。

そーいや、子供のころってどうして早く大人になりたいなんて願うのか、なんてまわりの子供をしげしげ見渡しながら、子供心にそう思っていた子供のころのあの日。

子供でいられる時間のほうが圧倒的に短いのに。

感覚的にわかっていたからだろう。少ないもの、限られたものは、レアなのだ。その法則は大人になってからも変わらない。そう考えるとき、なぜだかちょっと悲しい気持ちになる。

伸びきった固い手足をきゅうくつに折り曲げ、仰ぎ見る春の神社の青い空。

コマさんと鳥居を撮った。

帰宅するとズボンのひざが砂で汚れていて、こんなとこ汚れるのもどれくらいぶりだろうなんて苦笑していたら、けっきょく洗濯を担当するヒロから、「なんでそんなとこ汚すかな」と顔をしかめられた。

ワレらはもう、子供じゃない。

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