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渡部昇一流『四書五経』の解釈

14、偉人のあり方
🐢動かずして敬せられ、言わずして信ぜらる🐢(『中庸』三十三章)

ジタバタしなくても尊敬されて、あれこれ言わなくても重んじられる。

この言葉も形骸化されて、
なんでも「うんうん」言うのが大物だと考えるような弊害が生じたりしているが、
本当の偉人であれば、このあり方が理想的であろう。

たとえば源頼朝は、
石橋山に兵を挙げて、黄瀬川のあたりで闘った以外はほとんど動かなかったが、
それでも天下を支配した。この言葉に近い人物だったようである。

また、西郷隆盛や陸軍大将の大山巌といった人たちも、
このような風情のある人物であったと言われている。

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