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宇宙ビジネス最前線 – 宇宙居住レポート
2025/02/08
未来の宇宙時代を形作る最新情報をお届け!
本メディアでは、政府および民間企業による宇宙居住プロジェクト、宇宙での生活、商業宇宙ステーションの進展、関連テクノロジー、最新ニュースを厳選してお届けします。
地球を飛び越えた新たなフロンティアを共に探求し、宇宙ビジネスの最前線をキャッチアップしましょう!
宇宙飛行士の海上救助訓練が強化、宇宙旅行の増加に対応
宇宙旅行と国際宇宙ステーション(ISS)ミッションの増加に伴い、米軍の合同タスクフォースがフロリダ沖で宇宙飛行士の海上救助訓練を実施した。スペースX、ボーイング、NASAのアルテミス計画などの有人ミッションが増加する中、迅速かつ安全な回収作業の準備が進められている。宇宙船の海洋着水は、米国の宇宙計画において長年の標準であり、広大な海域が宇宙船の安全な着陸を支える。2025年には4回以上の有人打ち上げが予定されており、民間宇宙飛行の増加により、救助要請の増加も予想される。訓練では、荒天時の救助を想定し、空中投下やパラシュート降下などのシミュレーションが行われた。NASAや民間企業は、ISSへのアクセス拡大や将来の深宇宙探査に向けて、持続可能な宇宙エコシステムの発展を目指している。宇宙旅行が日常化する中、宇宙飛行士の安全確保のため、宇宙軍の役割はますます重要になっている。
空と海から学ぶ、宇宙の安全管理と有人宇宙開発の未来
宇宙開発の専門家らは、2月6日にシリコンバレーで開催されたSmallSatシンポジウムで、急増する衛星と混雑する軌道を安全に管理する方法について議論を交わした。航空業界や海運業界のルールや運用方法が、宇宙の安全確保にも応用できる可能性があるという。現在、地球周回軌道には1万基以上の衛星が存在し、7年以内に10万基に達すると予測されている。航空機や船舶と同様に、衛星にも位置情報の共有や通信の自動化が求められている。特に、衛星同士が「ウィンカー」のように意図を伝え、衝突を避ける仕組みが重要とされている。また、低地球軌道(LEO)には13,000個以上の追跡可能な宇宙ゴミ(デブリ)が存在し、小さすぎて追跡できない破片も無数にある。軌道上での安全性向上には、自律的な衝突回避技術やデブリ除去システムの開発が不可欠となっている。さらに、宇宙空間では偶発的な衝突リスクだけでなく、意図的な妨害行為への対策も求められている。例えば、ロシアの衛星が過去に「ゾンビ衛星」として復活し、他の衛星の近くで接近操作を繰り返した事例がある。こうした行動をリアルタイムで監視・分析する技術の発展が急務だ。有人宇宙開発の視点からも、宇宙空間の安全性向上は重要だ。宇宙船の打ち上げや帰還が増える中、衝突リスクを低減し、より信頼性の高い宇宙交通管理システムを確立する必要がある。宇宙船の海上回収訓練の強化も進められ、有人飛行の安全性確保に向けた取り組みが続けられている。今後、人工知能(AI)や自律運用技術を活用し、宇宙における「航空管制」のようなシステムを確立することが求められる。宇宙の混雑が進む中、有人宇宙開発を持続可能なものにするためにも、空と海の経験を生かした新たな安全管理の枠組みが必要とされている。
Vast、Haven-1の試験開始と打ち上げスケジュール変更を発表
2025年2月6日 – 商業宇宙ステーション開発を進めるVast社は、初の宇宙ステーション「Haven-1」の認定モデルの試験を開始し、打ち上げスケジュールを2026年5月以降に変更すると発表した。カリフォルニア州モハベの施設で行われた試験では、通常の1.8倍の圧力テストやリークテストを実施し、無事に合格。今後は構造負荷試験やFalcon 9ロケットの打ち上げ環境をシミュレーションする試験が予定されている。当初、Haven-1は2025年8月の打ち上げを目標としていたが、試験結果を踏まえてスケジュールを更新。7月に飛行モデルの基本構造を完成させ、2026年5月に打ち上げる計画だ。その後、最初の乗組員が6月末にもCrew DragonでHaven-1へ向かう予定。VastはこのHaven-1の経験を活かし、NASAの商業低軌道目的地(CLD)プログラムに向けた次世代宇宙ステーション「Haven-2」の提案を準備中。競合他社と異なり、NASAからの資金提供は受けていないものの、独自のスピードで開発を進めている。「我々の進捗は競合よりも先行している」とマックス・ハオットCEOは強調する。今後のVastの動向に注目が集まる経験を積み、科学コミュニティとの連携を深める狙いがある。
NASA、宇宙服の問題解決後にISSでの船外活動(EVA)を再開へ
NASAは、宇宙服の水漏れ問題による 7か月間の中断 を経て、国際宇宙ステーション(ISS) での船外活動(EVA)を再開する。1月16日と23日に計2回の宇宙遊泳を実施し、ISSに設置された科学実験装置の整備 や 機器の交換 を行う予定だ。中断の原因となったのは、2024年6月に発生した宇宙服の冷却装置の水漏れ。この問題によりNASAはすべての船外活動を停止し、シールやコードの交換を実施。試験を重ねた結果、安全性を確認し、EVAの再開が決定した。1回目のEVA(1月16日)では、NASAの宇宙飛行士 スニ・ウィリアムズ と ニック・ヘイグ が、レートジャイロアセンブリの交換 や X線観測装置NICERの整備 を実施。2回目のEVA(1月23日)には、ドン・ペティット と ブッチ・ウィルモア が作業を行う予定だ。ウィリアムズとウィルモアは、2024年6月にボーイングのスターライナー宇宙船 でISSに到着し、未だ地球帰還の便を待っている。2人は、3月にスペースXのドラゴン宇宙船で地球に帰還 する計画だ。NASAの宇宙服は 40年以上前 に設計されたもので、老朽化が進んでいる。2013年と2022年にはヘルメット内部への水漏れ 事故が発生し、命の危険を伴う状況が問題視されてきた。NASAは宇宙服の刷新を進めており、2022年6月には アクシオム・スペース と コリンズ・エアロスペース に総額 35億ドルの契約 を締結。新たな宇宙服の開発が進められている。今回のEVAが成功すれば、宇宙服の信頼性が再確認され、今後のISSミッションや月・火星探査に向けた船外活動の継続が期待 される。
VastとSpaceX、宇宙での長期人類居住に向けた共同研究提案を募集
宇宙開発企業 Vast Spaceと SpaceXは、宇宙での長期的な人類居住と探査を推進するための研究提案を世界の宇宙科学コミュニティから募集する共同プロジェクトを発表した。選ばれた研究提案は、Haven-1ラボ、SpaceXのドラゴン宇宙船、国際宇宙ステーション(ISS)への民間宇宙飛行士ミッション の機能を活用できる。Haven-1は、商業宇宙ステーションおよび微小重力研究・開発・製造のプラットフォームとして運用される予定であり、最先端の研究と技術革新を促進する場となる。この研究プロジェクトには直接的な資金提供はないものの、VastとSpaceXは選ばれた研究者に対し、軌道上の実験室へのアクセス、乗組員のサポート、プロジェクト設計や飛行資格の支援を無償で提供する。これにより、民間宇宙飛行の可能性が広がり、宇宙科学の新たな発展が期待される。Vastは、この取り組みを通じて、ISSの後継機として提案されているHaven-2の開発に向けた貴重な運用経験を積むことができるとしており、より広範な科学コミュニティとの協力を促進したい考えだ。
宇宙旅行の未来:意外と現実的な次のフロンティア
近年、SpaceXやVirgin Galactic などの企業が宇宙旅行の実現を加速させており、一般人が宇宙へ行ける時代が近づいている。これまでに約60人の観光客が宇宙旅行を経験し、多くは短時間の弾道飛行だったが、Crew DragonやNew Shepardなどの宇宙船により、より本格的なミッションも行われている。
民間宇宙旅行の進展
Virgin GalacticのVSSユニティ はすでに7回の商業飛行を成功させ、Blue Origin も2021年以降8回の有人飛行を実施。さらに、SpaceX は15回の有人打ち上げを行い、そのうち5回は完全商業目的であった。
火星移住の可能性
イーロン・マスクは、SpaceXの設立目的のひとつとして火星植民地化 を掲げている。しかし、技術やコストの問題から、現在のところ実現は困難。NASAの火星探査プロジェクトやロッキード・マーティンの「マーズ・ベース・キャンプ」構想なども進んでいるが、有人飛行の実現には時間がかかると考えられている。
宇宙観光の課題
現在、宇宙旅行は超富裕層向けの市場であり、Virgin Galactic の宇宙旅行チケットは 25万〜50万ドル、一方で SpaceXの火星旅行は10億ドル規模 と推測される。また、宇宙放射線や長期間の滞在環境、倫理的・環境的問題も解決すべき課題だ。
未来の展望
技術の進歩により、将来的には宇宙旅行のコストが下がり、より多くの人が宇宙を体験できるようになる可能性がある。宇宙ホテル構想や軌道上居住計画も進行しており、次世代の宇宙観光がどのように発展するのか注目されている
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今週も最前線の宇宙ビジネス情報をお届けしました。宇宙旅行、商業宇宙ステーション、軌道上の安全管理——これらはもはやSFではなく、現実の課題であり、未来を切り拓く鍵となるテーマです。次回も、宇宙の最新トレンドを深掘りし、宇宙ビジネスの可能性を探るレポートをお届けします。来週もお楽しみに!
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