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【雑記】12月の月記

はいどうもー。
すっかり正月疲れでボロボロのあまたすでございます。
この企画が毎月5日更新だということも完全に忘れておりました。すみません。
「まあ、年も変わったし2025年は10日更新ってことでいいかなー」なんて思っていましたが、それすら危うくなって今慌ててこの文章を書いています。

月に一度のゆるるん雑談企画、2024年分のラストです。
今年もゆるるーっとお付き合いいただけましたら幸いです。




今月の印象に残ったこと


川村記念美術館にお別れをしに行った

これですねえ。

川村記念美術館、正式名称DIC川村記念美術館は、DIC(昔は大日本インキ化学工業)という会社が1990年にオープンした私立の美術館です。
モネやレンブラントといった教科書に載っているレベルの画家の作品から、現代美術の作品までカバーする豊富なコレクションと、併設された広大で美しい庭園が特徴です。
そのため、美術ファンから美術はイマイチなんだけどお花見や散歩を楽しみたい人々まで幅広いニーズを満たし、多くの人に愛されていました。

そんなバブルの時代から続くこの美術館の名前が、昨年の8月にいきなりニュースになりました。
その内容はざっくり言うとこんな感じです。
『2025年1月を最後に閉館した後、美術館の規模を縮小して東京に移転するか、美術館事業そのものをやめる』
(※その後、2025年4月まで開館期間が延長されました)
つまり、今の場所で、今の状態で運営をすることは今後ないということです。

これがもう、本当にショックでして。
なぜかと言いますと、私が生まれて初めて『美術館』というものに触れたのがここなんです。

とんでもない田舎に住んでいて、学校の校外学習で美術館に行くこともなかった子どもが、教科書に載ってる画家の絵を生で見ることが出来た唯一の場所でした。

大人になってからも気になる展覧会には足を運び、美術展以外のさまざまなイベントにも行きました。春に桜やツツジを、秋には紅葉を見るために庭園に出かけるのは、毎年の恒例行事になっていました。
残念ながら自分にとって美術は未だに少し遠いものですが、それでも川村記念美術館に行けば、その距離がちょっとだけ縮まるような気がする、お気に入りの場所でした。

このニュースが出て以降、美術館の来館者が激増してなかなか展覧会に行くのは難しそうだったので、紅葉の時期を狙って散歩に行ってきました。
同じようなことを考えている人はたくさんいたようで、例年よりも人が多い庭園内をいろいろなことを思い出しながら歩いてきました。
庭園はあいかわらず美しかったです。
『人の手が適度に入った自然』の理想形でした。


この記事を書いている現在、美術館は東京に規模を縮小して移転することが決定したようです。
美術館の存続を希望した佐倉市が署名を集めて会社に働きかけたり、経済的支援を名乗り出た投資家もいたようですが、やはり覆ることはなかったみたいですね。

移転後に残される建物や庭園については、有効的活用の道を模索していくようです。
あれだけの場所が消えてしまうのはもったいない(田舎でそういう場所の潰え方というのは本当に目を覆いたくなるほどひどい)ので、そうしてほしいとは思うのですが……
……たぶん、今まであの場所が持っていた静かで、来ている人たちが物理的にも心理的にもちょうど良い距離感を保てて、どこか品のある雰囲気は決して引き継がれることはないんだろうな。そう思うとせつないです。

せめて、あの雰囲気を忘れずにいたいなと思います。
じっくりと好きなだけ好きな作品に張り付き、思いついた言葉を書き留めたことを。
四季の花々を眺めながら写真を撮ったり、思い思いに過ごす人たちを微笑ましく眺めながらコーヒーを飲んだことを。
小さな小さなクリスマスマーケットで食べたドイツ料理や、ヨーロッパの美しいクリスマス飾りの数々を。

川村記念美術館が取り持ってくれた美術との仲を、自分の人生の彩りにできるように、ともすれば忘れてしまいがちな心の琴線の調律をマメにやっていこうと思います。

一度も行ったことがないという方は、ラストチャンスですのでぜひ。
「なぜこんなところに美術館が?」というような場所にありますが、中は本当に別世界なので。


今月の一枚


いい場所だったなあ

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あまたす
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