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駱駝は浜辺でコンクリートの夢を見るか

(※全文公開しております。)

おはなしマガジンの表紙に使った写真のおはなし。

前に「マガジンの表紙に虎の子の写真使っちゃった」みたいなことを言っていたのですが、あれです。

この写真は、千葉県は御宿町(おんじゅくまち)にある、御宿海岸にそびえるモニュメントです。
なんでラクダ? とお思いになるでしょうが、それはこの曲が関係しています。

そう、「月の砂漠」です。

これを作詞した加藤まさを氏は、大正時代、竹下夢二などが活躍した時代に、抒情画や作詞など、多岐にわたって活躍した人物です。
彼が結核の療養に訪れた御宿の海をヒントに、この曲を書いたと言われています。
実は、正しくは「月の沙漠」と書きます(画像修正大変なので画像は勘弁してください……!)。
「砂漠」とは水っけのない砂地ですが、発想を得た海岸の砂はみずみずしいので「沙漠」を使っているようです。

で、そんなつながりから、御宿町には詩の情景をイメージした像が建てられました。

昔は町の街灯が三日月型で、下に小さなラクダの人形がついていたのですが、老朽化のためか今はよくある丸い電球の下にラクダがいるだけになってしまいました……残念。

それでも、あの像は写真好きには格好の被写体です。

いかに異世界っぽく撮るか!? というところに、アングルや撮影する時間などの計算が必要になってきます。あと、この像はけっこう有名だし人目を引くしで周りには常に人がいるので、いかに人の居ない瞬間を狙えるか、とかね(こういう写真は海水浴シーズンや休祝日にはまず撮れません)。

(えー、どうやらあの像は「乗る」というのもポピュラーなようです。ラクダの首にまたがるんですな。実際にやっている人を目撃したことがあるのですが、失敗して落ちて腰を強打していたので、もしまたがるなら覚悟してくださいね。駱駝の足元の砂丘に見える部分、あれはコンクリートです)

また、すぐ近くには「月の沙漠記念館」があります。
浜辺に建つ像の原型や、加藤まさを氏の絵を見ることができます。
(個人的には、土産物コーナーに売っている、加藤氏の絵葉書集と、詩集がオススメです!)

詩を書くひとも、絵を描くひとも、写真を撮るひとも、もちろん、海が好きなひとも楽しめる御宿町、興味がありましたらぜひご自分の足でどうぞ。
(※筆者は観光協会の回し者ではありません)
(※むしろちょっと何かもらいたいくらいです)
最後に、御宿の海の写真でシメましょうかね。

ね? なかなかいいところでしょう?

【参考】

月の砂漠 http://8.pro.tok2.com/~susa26/syoka/douyou/sabaku.html

御宿町 月の沙漠記念館 http://www.town.onjuku.chiba.jp/sangyoukankouka/shisetsu/tsukinosabaku_kinenkan/tsukinosabaku_kinenkan_01.html

月の沙漠 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E3%81%AE%E6%B2%99%E6%BC%A0


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