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独身アラフォー女性の奮闘記#13 20代前半当時、職場に超有名アメリカ人セレブが現れた話

最近もありえない事件が起きがちな私の人生、過去にも多くのびっくりエピソードがあったりする。直近については、千切っては投げているので、ネタ切れを補うためにも、過去のびっくりエピソードを披露していこうじゃないか。

日本に帰国して間も無く、私は原宿のLEVI'S STOREでアルバイトをしていた。その後、外資系アパレル企業に就職して、総務人事兼オフィス受付として働くことになった。これは、その時代の出来事である。


訪問者たち

私は事務もやりつつ、受付嬢としてもオフィス入り口に鎮座していることが多かったので、会社の来客対応をすることがあったが、基本的には展示会以外で訪問者は少なく、忙しいのは展示会の時くらいだった。

なので、平日の昼間は穏やかに過ごせる時間が多かった。唯一イライラしたのは、外国人取締役宛の外国人からの電話くらい。公私混同するなよ!みたいな電話が多かったんだよな。
しかもこの取締役、私がランチから帰社すると「I still love you」とかいうメモをデスクに置いてたりした。意味不明である。I love youでもアウトなのに、stillってなんやねん。こういったセクハラ行為を、よく先輩たちに晒しあげて楽しんでいたっけ。

他には、システムサポート系の会社の方とか、倉庫の自賠責保険をお願いしている保険レディとかの来客が多かった。地方のセレクトショップのバイヤーさんとかは、たまにしか来なかったけれど、仲良くなったらコーヒーとか買ってきてくれて優しかったし、女性の店長さんとは、いつも出張に来る時渋谷で泊まっているビジネスホテルのめちゃくちゃ怖い心霊トークで盛り上がったのを今でもよく覚えている。


友達の名前は・・・

そんな日常を送っていたら、ある日、オフィスの入口から、見知らぬジンジャーヘアの欧米人男性が入ってきた。外国人取締役も、アポの予定は入っていなかったので、ブランド名を見て、ショップと勘違いして入ってきたかな?と思っていた。
「How can I help?(何か御用でしょうか?)」と聞いたら、その欧米人は「今日ここで撮影の予定が入っている」と言った。私は、「今日そのような予定があるとは聞いていません。どこか別のオフィスとお間違いになっていませんか?」と聞き返したが、その男性は頑固に「友人にここに呼ばれている。自分はカメラマンなんだ。間違いなくここで撮影がある」と答えるので、社内にその日撮影の予定を組んでいた人がいないか聞いて回った。
しかし、該当者はおらず、そのカメラマンに「友人に呼ばれたと仰っていましたが、念の為その方のお名前を伺ってもよいですか?」と尋ねた。

彼は
Kanye West(カニエ・ウエスト)」
と言った。

私は人生で数回しか発したことがないフレーズ
「I beg your pardon?(今なんと仰いましたか?)」
と返事をした。カメラマンは、再度カニエ・ウエストだと私に伝えてきたので、私は「申し訳ありませんがMr. Westのアポイントは弊社には入っておりません」と伝えたのだが、彼は「じゃあどこなんだ!」と言うので、改めて社内の人達に、半笑いで「この中に、カニエ・ウエストの撮影の予定ある人、いないですかね〜?w」と聞いて回った。
皆で困っていたら、Hip Hop好きなビジュアルマーチャンダイザーのお兄さんが「あ、うちのビルの真裏にB系雑誌の編集部があるからそこじゃね?」と教えてくれた。私はカメラマンさんをそのビルまで案内したら、編集部の方が待ち構えていた。
一件落着である。


ご本人登場

それから2−30分後、再度先ほどのカメラマンさんが受付にやって来た。
私は内心「英語ができるからって質問箱だと思っていやがるな…?」と思いつつ、話を聞くと、私の会社のビルの裏手に車を駐車したいとのことだった。その日は搬入予定がなかったので、良いですよ、とお伝えしたら、彼は満面の笑みで「カニエが来るから、車にトラブルが無いように見てて」と言われた。え、それ私の業務じゃないっていうか、私の会社の仕事ではないんだが…?

そして、カニエ・ウエストが来た。
忘れもしない、白のアルファード。バンのドアがスライドされて中を見たら、そこ座っているのは、間違いなくカニさんだった。
私は全く関係ないのに、カニさんが車内待機している間、なぜか見張り番を任された。編集部の奴、仕事してくれよ。
更に、自社の超ギャルが「アマリリスちゃん!カニエと写真撮りたい!通訳お願いできる!?」とか聞いてきた。おい、ギャル命知らず過ぎるだろ。
私は恐る恐る、「Mr, may I ask you to take a pic with my collegue?(私の同僚と写真を撮って頂けませんか?)」と聞いたら、カニさん、まさかの笑顔で「Of course(もちろん)」と、快諾してくれた。当時はまだガラケー全盛期だったので、画像のクオリティはそんなに良くなかったが、ギャルちゃんはまさか涙を流すほど喜んでいた。
当時、多分2006年とか2007年とかだったから、カニさんもまだまだ全然小僧で尖っていなくて優しかった。既にスターではあったけれども。

とにかく、生きていて、誰かに「あなたの友人の名前は何?」って聞いて、「カニエ・ウエスト」って言われることなんて、普通ないよな。


数々の有名人おもしろ遭遇エピソード

カニさんに遭遇したアパレル企業から転職後、私は長らく、いわゆるメディアとか芸能・音楽関係の業界に居たので、びっくりどっきり有名人エピソードが実はたくさんある。
披露できるもの、できないもの様々だが、ネタ切れの時には小出しにしていこうと思う。
個人的に気に入っている話なのだが、エレベーターを待っていたら某男性グループのメンバーで満員のエレベーターが複数基続いて来て、一生目的のフロアに辿り着けなかった話は滑らないネタとして大切に温めておこう。

因みに、私が生で遭遇した有名アーティストで、めちゃくちゃかっこいいなと思ったのは葉加瀬太郎さんである。めっちゃいい匂いがしたし、背が高くて、紳士で笑顔も超絶素敵だった。私はあの日から、ずっと葉加瀬太郎さんを推しているし、周りにも、生太郎がどれほどカッコよかったかを布教している。

話は逸れたが、今後も私の珍エンカウントエピソードをお楽しみに。

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