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ショートフィルム【幸せたかミーのおくりもの】制作に寄せて。

静岡市街の小劇場BAR『あそviva!劇場』の自主事業
半日でショートフィルムを制作する企画『シネマdeVIVA!express
本年4回目の制作回を終えました☆

このようなスケジュール感で当日を過ごします。
まあ色々起こりますけども。

朝9時過ぎから、
今日どうしようか(何を創ろうか)?」のために
作品タイトル決めと、メッセージ(テーマ)決めのためのライブ配信を行うのが恒例行事のひとつです。アーカイブを残しているので、以下にリンクを貼っておきますが、これは記録用(オンライン参加者用)で、特にご覧頂かなくても大丈夫です(^^;)
配信のテンションが毎度低いですがそこはご愛嬌で何卒。

配信を終え、
作品タイトルは「幸せたかミーのおくりもの
テーマは「現代人が(当たり前の習慣のもと)失った生命の尊厳を問い直す。自己犠牲
と決まりました。

即興で作るにはテーマが重い!!!  …というのが第一印象。

その後も小一時間ほどの制作会議を続けたのちに手元に残ったのはこちらの制作メモです。

カンヌで1983年にパルムドールを受賞した映画作品「楢山節考」からテーマを抽出。
タイトルは、参考としたい原作案を寄せ集めてこうなりました。
なぜそうなったかはライブ配信内にて<m(__)m>

オンラインでご参加の
劇伴音楽ご担当のいつきさん、声での出演のcotoriさん、
そして会場に集まって下さったアートモバイルさん、ururuさん、
あとはホスト役の私あまる、ひっきぃの6名でなんとかまとまったのが以上の内容。

会議終了後、一時間も経たずに
いつきさんから一曲目の音楽『さよならたかミー』が届く。
哀愁のなかにやさしさがこめられたメロディ。
音楽は、イメージを膨らませるパワーがあるとつくづく思います。
その後、夕方までに全4曲を作曲頂きました。

前作【ユリーカ】では
親指姫の原作をまるごと朗読して頂くという苦行めいた取り組みになってしまったcotoriさんには、前回のようなご負担にならないくらいの文量で、今回は宮沢賢治作『よだかの星』をベースに冒頭と締めくくりのモノローグを別撮りして頂くことに。

あと今回、新しい試みっぽくなったこととしては、
「(どうやら)道化師役が必要だね」となったときに、後出しで出演依頼をなげかけたということ。Xでも初の呼びかけ。

たまたまスケジュールが空いていて、
この勢い任せの企画に身を委ねて飛び込んでくれる方…
というのはそれなりにハードルが高い。

と、我ながら思うものの
即興クリエーションに際し、こういう呼びかけを良しとしてもらえるだろうことは現代的というか、sns時代のノリというか、許される気がしています。関心をもってもらえなければ(持ってもらえたとしても)情報はそのまま流れていくだけですから。

結果的には
Xでの呼びかけに反応してくれる出演候補者はいらっしゃらなかったけど、こちらで想起したクラウン(道化師)の方に直接コンタクトをとり、まさかの出演ご快諾となり、作品の方向性が一つ定まったのでした。

その方は、クラウンはなうたさん。

静岡の「劇団らせん劇場」の主力俳優のお一人である桐島聡氏の、また別の一面であるこのキャラクターは、非常に明確なイメージをもってこの(これから生まれてくるであろう)作品の中に入り込んでいきました。

静岡の中華飯店「豚香」さんの美味しいランチタイムにて打合せ。
後ろ姿、話を聞いてくださっているのが、はなうたさん。
説明する私(左)と、神妙な面持ちでランチセットを待つアートモバイル氏(右)

とはいえ、はなうたのキャラクターそのままを拝借するのは申し訳なかったので、こちらで簡易衣装を用意し、いつもとは少し違った?キャラクターを模索して頂くことに。

同時に。
「よだかの星」がベースの一部ということで、鳥のイメージ映像があると作品に活きるのでは?と思い立った私は、このノリのまま、鳥と生活されている知人の月のつばささんに鳥の出演相談。なんと、鷹の雷くんを山で夕方飛ばすかも、出演できるかもという話に。これは願ってもない。"よだか"は正確には鷹ではないことが原作中で示されているが、雷くんにはイメージ出演を願いたい!山で合流する時間あるかはこのあとの動き次第。
※なおこの段階でも作品の物語はまだ明確に決まっていない

この時点で13:50。やばい。撮影を始めないと。
タイムリミットが迫っていました。

ミーティング会場から車でほど近い、
休日の市民の憩いの場の一つ「あさはた緑地」まで移動。

この日はシロツメクサが咲き誇る。
あさはた緑地は、とっても気持ちのいい広場なのです。

今回もこれまで同様にコンテも何もなく、
あるのは先ほど示した制作メモのみという状況で撮影をはじめることになるのですが、はなうたさんのメイク中に、なんとなくの作品として成立させるための青写真を想い描く。正直どうなるかわからないから、まだなんとなく、である。メイク終了。まずは自由に動いて頂くというカットから。

よーいドン!で、はなうたさんはいきなり100%のパッション、完全に置いていかれる!面白い…!
とにかく面白いのだが、とにかく置いていかれる。※物理的に
約8分間の長回し。"たかミ―" としてのテンションに変動なし。
まったく恐れ入りました。

その後も順調に各シーン…っぽいもの?を撮影していき、
あとはあがった映像と編集任せ、というかたちで終えるしかないのがこの企画の乱暴なところであり、同時に最もユニークなところです。

タイムオーバーとなり、雷くんは別撮りで映像を送ってもらいました。
結果的にはそれでよかったかも!
月のつばささん、ご協力ありがとうございました🐣
たかミーの衣装について。
想定の衣装をまるごと劇場に忘れてくるというハプニングから
車にあった布系を組み合わせてそれっぽく。でも、これで結果オーライかも。

その後、
翌朝になってしまったもののショートフィルムの元となる編集ドラフト版が完成。これをもう少し磨き直して作品は完成したのでした。

完成版の映像は
撮影三日後のあそviva!劇場のBAR営業日に合わせて一般公開。
上記の生配信では、公開後、アフタートークというかたちで作品を振り返る時間も収めました。

作品単体としてはこちら。

当初かかげたテーマにどこまで寄り添えたのか、わからない部分もありますが、撮影時間実質90分かつフワフワとした状態のまま最後まで突き進んだにしては、よくまとまったような気がしています。

「できました配信」でも発言しましたが
たかミーが実際に隣に現れたら、鬱陶しく思ってしまうかもしれないですけども、同調圧力だったり集団心理に支配される社会…のようなもので息苦しさを感じる空気感、日常を、正面からぶち壊してくれる存在は、きっとたかミーのような人なのではないか。そういう予感も漂うような短い映像作品が仕上がったような気がしています。たかミーがいなくなった世界は、きっと寂しいはずです。おくりものを受け取ったのは私自身も、かもしれません。

制作に携わって下さった皆さま、
今作も本当にお疲れ様でした!!!
おかげさまで思い出深い作品がまた一つ誕生しました。
ありがとうございました☆

あと補足ですが、
鷹の雷くん、何かに激突したりしてませんからご心配なく!!


さて、
ここまで毎月実施してきた本企画、
来月はちょっと別の創作物との兼ね合いで忙しい時間が続くため、もしかしたら開催困難かもしれないのですが、ここならいけるというタイミングで、突然企画発動という可能性も無きにしもあらずです。
そのときはまたどうか、ライブでとは言いませんので、アーカイブ等々で、様子をのぞきに来ていただけましたら幸いです。

6月には確実に制作日を設定することと思いますが、
それもまた改めてのご案内にて。

以上、長文雑文失礼しました。
最後までお付き合い頂きありがとうございます!





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