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【予備試験過去問対策講座】令和4年刑法
はじめに
この記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。
今回は、令和4年刑法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。
予備試験刑法の思考方法
はじめに刑法の問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ベースは「独学者のための論文勉強法①」で述べた「質問に答える(条文・当てはめ・結論)」、「法律文書としての体裁を整える」の2ステップです。
なお、以下では、犯罪の成否を検討する要素とその手順については、基本刑法Ⅰの立場を採用しています。
問題となり得る行為の特定
まずは、設問から行為の主体を確認します。刑法の場合、「甲の罪責を述べよ」のように、はっきりと示されているため、ここで迷うことはないと思います。
次に、主体の行為のうち、犯罪の成立する可能性があるものをすべて列挙します。とはいえ、拾い漏れは一番もったいないので、この段階では基本的にすべての行為をチェックしておく方が無難です。また、不作為により犯罪が成立しそうなケースでは、その不作為も列挙対象に含めることが必要です。
実際に問題を解く際には、各行為に関する記述に下線を引いたりマークをしたりすることが多いと思います。
条文の特定
チェックした行為ごとに検討すべき条文を特定します。ここでは主に刑法各論の条文知識が必要になります。
複数の犯罪に該当しそうな場合は、それ自体が論点である可能性もあるため、一旦すべて気に留めておきます。例えば、横領罪と背任罪は説によって両方成立しうるケースがありますが、その理由や検討の先後も論述すべき内容に当たります。
犯罪成立要件の検討
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