夜景【ショートショート635字】
僕はレストランの窓際の席に座って、緊張しながら相手の到着を待っていた。窓の外には新宿の夜景が見える。向かいの空席を見つめながら、僕は今日言うべき台詞を反復する。このタイミング言おうと以前から決めていた。
思い返せばきっかけは大学の学園祭だった。クラス企画を一緒にやることになり、なかなか話がまとまらない中、喧嘩と仲直りを繰り返しながら当日の本番を迎えた。あの日の達成感はまだ在り在りと覚えている。終わった後、二人でハイタッチして成功を喜びあったものだ。
それから僕達は自然と二