はじめての感覚

幼い頃の記憶。


畳の上で、ガラス戸のガラスや骨組みを指でなぞりながら


『なんかつまんないな。』
『なんかしんどいな。』

何かがあったわけでもなく、
何かを言われたわけでもない。

ただ、横になって、ゴロゴロ。
動くの苦手。
何にもしたくない。

ただそれだけ。


心は“無“だったのかもしれない。


女友達はママごとが好きで、
お母さん役や、お父さん役をしたがる。

私は、犬か猫でいい。

何にもしなくていいから。

何の役もいらず、餌だけもらうわ。と、
とりあえず仲間に入っている。

お母さんの役や子供の役をしている友達から
こころは、少し距離感を感じてた。

何が楽しいんやろ?

冷めた子供だったのかもしれない。

自分の意見もなければ、
どうしたいかもない。

誘われたら、参加する。

ただ、流れに身を任せて
私はそこに居るのに
私はそこにいない感覚。


ただただ時間が過ぎていく感覚。

今思えば、抜け殻のような感じ。


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