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幽霊化代行 墨羅最死強 ~死霊刀と微幽王の世界~4話

4話:『微幽王の影』


墨羅 最死強の視界に映るのは、広がる霧と、遠くにぼんやりと揺らめく青白い光。死霊刀を握る手には、微かに汗が滲んでいた。


「微幽王……一体、何なんだ?」

その言葉は、自分自身に問いかけるようなものだった。


不穏な気配

境亡者との戦いを終えた彼は、伊澤とともに基地へ戻る途中だった。しかし、辺りの空気は重く、明らかに異変が漂っていた。


「おい、感じるか?」

伊澤が足を止め、辺りを警戒する。

最死強は無言で頷いた。この感覚──まるで何か巨大な存在が彼らを見下ろしているかのようだった。


その時、地面に微かな振動が伝わった。遠くから響く低い音が次第に近づいてくる。

「来るぞ……!」

最死強が死霊刀を構えた瞬間、霧の中から一つの影が現れた。それは、異様に膨れ上がった人影だった。


新たな脅威の登場

「ようやく見つけた……お前が“例の幽霊”か?」

低く響く声とともに現れたのは、滅亡支の一人、**羅煌(らこう)**だった。その巨体は異常なまでに膨張しており、その手には黒く歪んだ武器が握られている。


「滅亡支か……厄介な連中だな。」

伊澤が苦々しく呟く。


羅煌はゆっくりと歩みを進め、最死強をじっと見つめた。

「お前がその刀を使う“特例”か。興味深い……微幽王様も、お前に目をつけておられるようだ。」


その言葉に最死強の眉が動く。

「微幽王……本当にいるのか?」

「ふん、いるとも。だが、お前には関係ない話だ。ここで消える運命だからな。」

羅煌が武器を構える。その瞬間、空気が一気に凍りついた。


戦いの始まり

最死強は迷わず地面を蹴り、羅煌に向かって突進した。

「何が運命だ……ふざけるな!」

死霊刀が青白い光を放ち、羅煌の武器と激突する。その衝撃で周囲の霧が一瞬で吹き飛んだ。


羅煌は不敵な笑みを浮かべながら応戦する。

「面白い……だが、その刀だけでどこまで耐えられるかな?」

激しい攻防が繰り広げられる中、最死強の心には一つの疑問が浮かんでいた。


「この刀……俺をどこに導く気なんだ?」


次話予告:『滅亡支の脅威』

新たな敵、羅煌の登場。そして徐々に明らかになる微幽王の存在──。次回、さらなる激闘が幕を開ける。

※本作はオリジナルのストーリーおよびキャラクターで構成されていますが、一部の設定や表現は、既存のフィクション作品をモチーフにしています。
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