【BLEACH二次創作】藍染惣右介編 ~思惑と幻想の先~第三話
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前回のお話
次なる幕開け
霊王宮を後にした藍染惣右介の足取りは、静かでありながら力強かった。その背中には、霊王への失望から得た新たな確信が刻まれていた。
崩玉の囁き
霊王宮を包む深い沈黙の中、藍染は自身の胸に収めた崩玉に意識を向けた。崩玉が放つ微かな波動が、彼の計画にさらなる指針を与えているようだった。
「……霊王、お前も同じ考えだな。」
藍染は呟く。崩玉は応えるように、霊圧の波をわずかに変化させた。それは、霊王を否定する藍染の意志を肯定するかのようだった。
「この世界に必要なのは、過去の遺産ではない。すべてを再構築するための力だ。」
藍染の目には、決意と冷静な知略が宿っていた。
零番隊の影
ふと、その場に霊圧の気配が立ち込める。先ほど倒れたはずの零番隊の一人、兵主部一兵衛が立ち上がっていた。
「……まだ動けるのか。」
藍染の声には驚きはなかった。むしろ、計画を中断されることへのわずかな苛立ちが混じっていた。
「藍染惣右介……貴様がここで何をしようと、我々零番隊は止める。それが役目だ。」
一兵衛の声には鋭さが戻り、再び刀を構えた。だが、藍染は笑みを浮かべる。
「役目か……そんなもののために、命を投げ打つつもりか?」
その言葉と共に、藍染はわずかに手を動かした。周囲の空間が一瞬で歪み、兵主部一兵衛は何が起こったか理解する間もなく、その場に崩れ落ちた。
「……役目を果たすには、力が足りなかったな。」
藍染は冷ややかに言い放ち、その場を後にする。
次なる計画
霊王宮を出た藍染は、尸魂界の深部に向かう道を選んだ。目指すは、尸魂界と現世の狭間に存在するとされる「空間の核」。そこには、彼の計画を実現するための鍵があるとされていた。
「霊王が無価値だとすれば、俺がこの世界を完成させる存在となる。」
藍染の目には、自身が描く新たな世界への期待が宿っていた。