【BLEACH二次創作】藍染惣右介編 ~思惑と幻想の先~ 最終話
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新たな世界
霊王宮の中心、かつて霊王が鎮座していたその場所で、藍染惣右介と黒崎一護の戦いは最高潮に達していた。二人の霊圧がぶつかり合い、周囲の空間が何度も歪む。霊王宮全体が揺れる中、二人は言葉を交わさないまま、斬魄刀を振り抜き続けていた。
花鳥風月の真の力
藍染の剣が空を切り裂き、無数の現実が生成されていく。その中には、かつて藍染が歩んできた道筋が映し出され、一護の目の前に広がった。
「これが……お前の作りたい世界か?」
一護はその景色を冷静に見渡した。そこには人々の生活が映っていたが、それは完全な管理下に置かれた無秩序のない世界だった。
「貴様に理解できるものではない。完全なる秩序だけが、この世界を救う。」
藍染は斬魄刀「花鳥風月」を振り上げ、周囲の現実を操作するかのように一護を包囲しようとした。
一護の反撃
一護は天鎖斬月を強く握り締め、冷静に藍染を見据える。
「救う? それが救いだって、お前が決めることじゃないだろう!」
彼の霊圧が一気に膨張し、藍染の作り出した現実を破壊し始めた。その力は、藍染の完全催眠さえも無効化するほどのものであった。
「お前の鏡花水月……もう効かない。」
「……なに?」
藍染は驚きと共に、一護の力に圧倒されつつあった。
新たな秩序
最後の一撃を放つべく、一護は天鎖斬月を振りかざした。その刃に込められた全霊圧が藍染に向かい、全てを飲み込むような衝撃を生み出した。
「これで終わりだ、藍染!」
光が収束し、藍染の姿が徐々に崩れていく。しかし、彼の表情には不敵な笑みが浮かんでいた。
「終わり? いや……これが始まりだ。私が種を蒔いたこの世界で、貴様たちが何を育むのか……見届けてやる。」
藍染の霊圧が消え去ると同時に、霊王宮は静寂を取り戻した。
エピローグ
戦いを終えた一護は、霊王宮を後にし、現世へと戻った。彼の心には、藍染との戦いで得た何かが確かに残っていた。
尸魂界では、護廷十三隊が新たなリーダーシップの下で再建を進めていた。藍染の残した影響は大きかったが、それでも彼らは未来を信じて歩み始めていた。
一護は現世で平穏な日々を取り戻しながらも、心の奥底で藍染の言葉を思い出すことがあった。
「救いとは何なのか……俺自身がこれから探していくしかないんだろうな。」
空には霊圧の残滓が薄く漂い、新たな時代の幕開けを告げていた。